■朔の夜に…             2007年7月14日

 

 

 

 

 

 

 

 

朔の夜の犬夜叉はいつものと違うのはわかっている。

 

普段『半妖』と呼ばれる妖怪の類である彼には

鋭い爪、人離れした体力、他にも上げたら

多分、それはキリがない。

それに気にも留めてもいない自分もいる。

 

そう。

 

どんな姿であっても、どんな形であろうとも

私には『犬夜叉』は『犬夜叉』。

 

他の誰でもない、ただ一人、大切な人。

 

もちろん、『それ』に応じることも数をこなすうちに

容易く受け入れる自分がいるから、

それこそ不思議と感じながらも、

結局は応じてしまう。

 

 

理由は簡単。

 

『愛してるから』

 

でも、朔の夜だけは戸惑いを隠せないときもある。

 

『半妖』である彼が私を抱くときは

いつになく気を使っているのがよくわかる。

 

鋭い爪で傷つけないようにとか

有り余る体力に私を疲れさせないようにとか…。

 

でも、朔のときは、まるで別人のようにさえ思えるから不思議。

 

でも、そこに愛情があるから…。

人間の男として、私を求めてくる彼の気持もわからないでもないから…。

 

 

それが胸の奥まで伝わってくる。

だから、彼の要求にも応じる。

 

 

自分が『女』になってから知ったのは

『恥じらい』と『悦び』が紙一重だということ。

 

 

 

犬夜叉…

 

 

愛してるわ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今夜は月もねぇ。朔だ…。」

 

「うん。」

 

 

まるで、それが合言葉のように彼は私の衣服を

花弁を散らすかのように一枚一枚はいでいく。

 

重ねた唇は私の体から決して離さないかのように

静かに首筋や胸元まで伝い、

やがてはたどり着く

まだ青臭さの残っているであろうと自分では思っている

乳房を始めは優しく、やがて吸い付き

徐々に激しく揉みしだいていく。

 

 

「あ…。…う…んん…。」

 

「声もっと出せよ…。」

 

 

声を聞きたがる理由はわからないけれど

彼はいつも私の喘ぐ声を耳にとしたがる。

 

 

私が感じていないとでも思ってるの?

 

 

「ああ!…いや!あ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

いつもと違うのは、見知らぬ小屋の中で

囲炉裏にかすかに残る炭火に照らされた私と犬夜叉が

二人きりでいる…ということ。

 

朔の夜は必要以上に過敏だった彼も

いつの間にか、その日だけは

私と必ずといっていいほど二人きりになりたがる。

 

そして、求めてくる。

 

決して嫌じゃない。

むしろ、それは女として嬉しい。

 

 

でも…

 

 

 

 

 

 

「すげぇ、おめぇ感じてるよな、今日は…。」

 

「あ!…やだ!…そんな言い方…。」

 

 

壁に手をつき、立ったまま犬夜叉に背を向けている自分。

 

本当は彼の朔の夜にしか見られない黒い瞳を見つめたいのに

彼はそれを許そうとはせず

私を立たせ、足を広げ、下からじっくりと

 

…攻める。

 

 

跪いた彼が見上げた視線は私自身も見たことのない

部分をはっきりと見て取れるはず。

 

そう思うと殊更、羞恥心が溢れ出し、

やがて犬夜叉を悦びへと導く潤いとなって

太ももを伝っていく。

 

 

やがて、満足げに笑みを溢しながら

犬夜叉は立ち上がり、

手で覆い隠すことを許さない

露となった乳房を二つ同時にと摘み上げ、

もみ上げ、弄ぶ。

 

その度に口から漏れる喘ぐ私の声に

なおのこと、犬夜叉は悦ぶ。

 

暫く、乳房を弄んだ犬夜叉は次に手を前に置き、

静かに下へと這わせていった。

 

 

「あ!きゃ!!あああ!」

 

 

かき分けた茂みの奥の秘所をかき回す。

爪のないせいか、その動きに遠慮はなく

『女』として反応している潤いを

全体にとゆっくり、特には強く荒々しく

撫で回していく。

 

 

その度に壁に手をつけたまま、わなわなと

体を震わせる私を決して

横たえることを許さず、

ただ立たせ、体全体を万遍なく指を使い、弄ぶ。

 

やがて、彼が口にした言葉に

少なからず、私は動揺した。

 

 

「もう少し、腰突き出せ…。」

 

「…え?」

 

 

手を壁から離すことを許さない彼の視線が熱い…というより怖くさえ感じる。

もちろん、そこには確かに『愛』はあるけれど。

 

でも、そのまま腰を突き出したら、

まるで、私が彼の…を待ち構えるようで

応じるのをつい躊躇った。

 

 

「ほら、引けっての。」

 

人間のはずの彼とて所詮は男。

力には到底適わない。

 

犬夜叉が私の腰を掴むと

自分の腰元へと押し付けた。

 

 

太ももに当たる熱くて固い犬夜叉の分身が

今にも自分へと貫くのではないかと

そう思った瞬間、

僅かに恥じらいながらも

壁に手をつけたまま、足を折り

彼に向って腰を当てるように宛がう。

 

 

「…?」

 

「…いい眺めだ。」

 

「!」

 

 

なかなか自分の中に入ってこない犬夜叉のほうを振り返ると

彼は私の肢体を下から上からと舐めるように見入り、

薄っすらと笑みを浮かべている。

 

 

「いや!犬夜叉!お願い!…普通に…して…!」

 

 

そういって、壁から手を離し、振り返ろうとした瞬間。

犬夜叉はそれを阻み、私の手の甲の上に手の平をあて、

もう一度熱くなっている腰元を押し付けた。

 

 

「手、離すなっていったろ?」

 

「いや!恥ずかしいから、もう許して…!」

 

「恥ずかしい?だけど、お前のここは応えてるぜ?」

 

 

そういうと、片方の手を解放し、背後から

秘所へと指を挿れ、すっと軽くかき回す。

 

 

「あん!…ああ!」

 

「感じてるんだろ?」

 

「…あ…ん…。」

 

「気持いいんだろ?」

 

「はぁ…、あ、ああ!」

 

「言えよ。お前の口で…。」

 

「…。」

 

「言ってみろよ?『気持いい』って。…ほら。」

 

 

そういうと、始めは一本だった指が徐々にと増え、

かき回す勢いも強くなっていく。

 

 

「あ!あああ!…あん!あああん!」

 

「…ほら、言ってみろ!」

 

「…い…い…。」

 

「聞こえねぇ。はっきり言え。」

 

「…き、気持…いい!」

 

「感じるだろ?」

 

「うん…。す、すごく…。」

 

 

もう既に理性はなくなっていたと思う。

欲しくて、欲しくてたまらない

下腹部に走る奇妙な感覚。

 

後になって気がついたことだが、

そのときは自分でも信じられないと

思うほどのことを口走った。

 

 

「ねぇ、もう…来て…。」

 

 

手をついたまま、振り返り、後ろで誇らしげに笑みを浮かべる

犬夜叉に懇願する。

 

犬夜叉は先が僅かに濡れ始めた自身を握ると

かごめの秘所へと宛がった。

 

 

「欲しいのか?」

 

「…うん。」

 

「挿れてほしいのか?」

 

「…ほ、欲しい…。」

 

 

犬夜叉はそれこそ勝利を得たかのように

かごめの中へとゆっくり自身を差込み、

か細い腰にと手を掛け、ゆっくりとゆっくりと腰を揺らした。

 

 

「あ…、ん…。」

 

「どうした?挿れてやったんだぞ?」

 

「…。」

 

「本当は違うんだろ?」

 

「あ…あん…。」

 

「お前が言わなきゃわかんねぇよ。」

 

「…いじわる…。」

 

「お前の口から、…聞かせろよ…。」

 

「…え?な、何…を…?」

 

「どうして欲しいのか、お前の口から言えっての。」

 

 

ゆっくりと進退を繰り返す動きに

下腹部のマグマのような何かが益々込み上げてくる。

 

 

 

 

もう限界だった。

 

これ以上、彼からの行為を待つことなど出来なかった。

 

 

かごめは手を壁についたまま、

足を広げ、腰を突き出し、

犬夜叉へと懇願する。

 

 

「い、犬夜叉!う、動いて!…もっと!」

 

「動く?どういう風に、だ?」

 

「…もう辛いの…。お願い、イカせて…!」

 

「…。」

 

「もっと!…もっと激しく…!」

 

「かごめ!」

 

 

 

 

それまでの行為が嘘のように犬夜叉も

かごめの腰を強く掴み、叩き付けるかのように

何度となく突き上げた。

 

小屋中に響く肉と肉のとぶつかる激しい音。

 

かごめの口から、いつになく甲高く漏れる喚声の声。

 

朔の日故、人間の犬夜叉も肩を揺らし、

吐く息が荒くなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫く、その激しい行為を終えた二人は

燻る囲炉裏の傍で犬夜叉の逞しい腕を枕に

かごめは静かに瞳を閉じてまどろんでいた。

 

犬夜叉もまたまどろんでいた。

 

 

「…寒くねぇえか?」

 

「ううん。犬夜叉が暖かくて気持いい…。」

 

「そっか…。」

 

 

そういって、もう一度かごめの体を強く抱きしめる犬夜叉は

さっきとはまるで別人のようであったかに思えるが、

それでも、犬夜叉は犬夜叉。

 

 

求められるまま、まるで娼婦のように悶え狂う

自分もまた、普段は普通の女の子。

 

 

激しく求められる日もあれば、

静かに抱き合うこの瞬間も

どちらも『犬夜叉』と『かごめ』。

 

 

 

 

そんな、ある日の朔の夜の出来事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

たまにこんなお話も面白いかと今回初挑戦、挿絵付き、更に皆さんがよくされている

朔の夜限定特別企画を自分でもやってみました。

 

どうでしたか?よかったでした?

 

ちょい鬼畜の入った攻め犬でしたが、双方ともそれなりによかったご様子…なエンドにと

仕上げました。

 

ちなみに制作時間、挿絵から初めて約2時間。

さすがに文も稚拙な表現等々あるかと思いますが、短時間で仕上げたので

これにてご勘弁を・・・。

 

ご感想頂ければ幸いです。 

 

…次回もこの「朔企画」できるのかどうか自身はありませんが…

 

はなまま