■朔の夜に…             2007年10月11日

 

 

 

 

 

 

 

 

「うう・・・んんん・・・はぁ!や!あ!!あ!」

 

「はぁ・・・、あ・・・、はぁ・・・あ・・・。」

 

「・・・あ!いや!もう・・・、ああ・・・ん!あっ!!」

 

「お、・・・俺も・・・、・・・っ・・・!」

 

 

 

久しぶりの現代。

せっかく帰ってきたのに、家族は皆旅行に出かけていた。

 

すっかり今日が朔だったなんて忘れてたけど

黒髪の犬夜叉がひょっこりと窓から入ってきたとき

寂しさから思わず抱きついた。

 

 

「かごめ・・・。」

 

「犬夜叉・・・。」

 

 

折り重なる二人の影。

窓からは新月の夜らしく

真っ暗闇。

 

ベッドの脇に添えつけられた明かりだけが

激しく求め合う二人を薄っすらと

部屋の壁に映し出す。

 

思いもよらなかった交わり。

 

ああ、やっぱり私、

犬夜叉に抱かれるたびに

どんどん好きになっていく。

 

心の中はもちろんだけど

あんたの体さえ

汗ばむその背中さえ

全てが愛しいと

愛するって、こういうことなのかなって

獣みたいに激しく鬩ぎ合い、快楽に溺れることが

抵抗あった頃なんて今となっては嘘みたい。

 

あんたが欲しくて欲しくて仕方がないの。

 

愛してるわ・・・・

 

犬夜叉・・・・。

 

 

 

 

 

「・・・・。」

 

「・・・・水でも持ってくるか?」

 

 

いつの間にか手馴れたように自分でキッチンとへと降り、

コップに水を携えて私の部屋へと真っ直ぐにやってくる。

 

戸惑いなど何一つない。

 

今、この家には私達二人きり。

愛し合うには充分のゆとりと互いの思いやり。

 

 

「ありがとう、犬夜叉。」

 

 

私がおいしそうにコップの水を飲む仕草さえ

犬夜叉には何だか嬉しそうに見つめてくれる。

 

潤んだ漆黒の瞳が語るの

 

私が好きだって・・・

あんたの全てから伝わってくる・・・

 

 

飲み干したコップをベッドサイドへと置くと

その瞬間を待つかのように

犬夜叉は私の体を包みこむように

腕の中へと収める。

 

やさしい人肌のぬくもりを背中越しに感じる。

 

 

「かごめ・・・。」

 

 

耳元で囁く声。

 

 

そして、私は振り返り、

自分の名を呼んだ唇へとそっと唇を重ね合わせるの

 

 

静かに合わさっていた唇がまた深く深く・・・

 

 

「あ・・・ん。」

 

 

背後から回された手が胸元を這う。

両の手がさっきまで緊張していた赤い蕾を

もう一度奮い立たせるかのように弄び始める。

 

 

「犬夜叉、もう今日は・・・。・・・あん・・・。」

 

「家には誰もいねぇし、遠慮はないだろ?」

 

 

威圧的な言葉と共に二人の肉体が上下反転。

いつの間にか犬夜叉が私の上にと覆いかぶさっていた。

 

 

「時間はあるんだぜ?」

 

「・・・そうだけど・・・。」

 

 

せっかくの現代。

確かに抱き合えたのは嬉しかったけど、

そのまま、ゆっくり二人で寝るのってのもいいじゃない?

 

 

「・・・ねぇ、今日は・・・。」

 

「あ?何だよ?」

 

 

投げかけた言葉と同時に摘み上げられた双丘の頂点が

瞬く間に硬く強張り、犬夜叉の鋭い爪のない指先が

ここぞとばかりに・・・・。

 

 

「あ、・・・本当に・・・ああん!」

 

「時間はあるんだ。・・・そうだろ?かごめ・・・。」

 

 

交わりの回数と共に犬夜叉も私の体の全てを

把握しているかのように

時には指先で・・・

時には舌で這うように・・・

私の感じる部分を何度も攻める。

 

 

「もう、犬夜叉!」

 

 

思わず、彼の肩に手をかけ、体を退いた。

 

それでも、なぜか威風堂々とした笑みと態度がはっきり分かる。

 

 

「言ったろ?時間はあるんだぜ?お前こそ何焦ってんだよ?」

 

「え?」

 

 

犬夜叉の体から、身を引いたせいか

ちょうど私の足の付け根に犬夜叉の顎が当たった。

 

 

「・・・・ふっ。」

 

 

息と共に確かに勝ち誇った犬夜叉の顔。

 

え?

何?

 

何考えてる・・・の?

 

その笑い方・・・

 

わかんないよ・・・?

 

 

「時間はたっぷりあるんだ。」

 

「犬夜叉?」

 

「たまにはこんな時間もいいな。」

 

 

なんか、お互い、感覚ずれてるの?

私はあんたと一緒に・・・

できれば、このまま眠りに着きたいのに・・・

 

あんたは違う

 

なんか企んでるでしょ?

 

 

そんなことを犬夜叉の笑みから読み取ったつもりでも

次の動作にはさすがに私も唖然としたわ

 

 

「・・・?あ!きゃあ!何よ!」

 

「見てぇんだよ。」

 

 

犬夜叉の顔が自分の腰元に来たのが迂闊だった!

 

犬夜叉は私の両方の太ももを大きく持ち上げ、

自分の肩へと乗せ、膝と膝の真ん中に顔を近づける。

 

 

「あ!何?いやよ!犬夜叉!」

 

「あんだよ、何度も舐めたりしてるんだぜ?今更何言ってんだよ。」

 

「な・・舐め・・・!」

 

 

思わず頬を赤らめる。

 

いやいや、そういう問題じゃないっての!

 

 

私の声も聞かず、犬夜叉は私の・・・私の・・・を

指で押し広げた。

 

なんか、視線が熱く感じるのは気の・・・せい?

 

 

「こうして見るとやっぱ、俺と違うな。」

 

「・・・・!」

 

 

何も言えない!

言葉も出ない!

 

押し広げられた中心が何かに反応してしまいそうで

ぐっと息を堪えるのが精一杯。

 

 

「あ、ここ、こんなに小せいな?何でだ?かごめ?」

 

「わかんないわよ!そんなこと!もう止めて!」

 

 

全然私の話を聞いてくれない。

 

 

「だってよ、さっきまではもっと、こう膨らんでぬるっと・・・。」

 

「な!」

 

 

言ったそばから、犬夜叉はその部分を指で弾く。

 

 

「あっ・・・ん!」

 

「・・・・・。」

 

 

さらに指を下にと持っていく。

 

犬夜叉と繋がる入り口へと指を持っていく。

 

 

「ああ!やぁ!」

 

 

犬夜叉は黙ったまま、指を沈み込ませた。

それが何本だかはまるでわからない。

 

でも、そこには確かに犬夜叉の指が入ってきている。

ゆっくる、ゆっくりと

沈み込ませていく。

 

 

「なんか、ここ熱くなってきているぜ?」

 

「・・・・・!」

 

 

きっと見ている。

私の顔を見ている。

 

我慢している私の顔を見て

きっと彼は優越感に浸っているんだわ!

 

 

「犬夜叉!もう止め・・・ああ!」

 

 

私の言葉が終わらないうちに

指を前後にと動かし始めた。

 

分かったのは、膣内(中)に挿れられた指が

多分、人差し指と中指だった気がしたこと。

 

だって、時々親指がその上の部分を掠めているのが分かったから。

 

 

「あ!いや!・・・ああん!」

 

「・・・・・。」

 

 

無言のまま、犬夜叉は何度も指を出し入れする。

その往復の速度と動きが

さっきまで鎮火していたはずの『快楽』へと私を引きずり込む。

 

 

「や!ああ!・・・犬夜叉!・・・あぁ!」

 

「すげ・・・、お前ん中溢れ始まったぜ?」

 

「や、いや!言わないで!」

 

 

こみ上げてくる悦。

 

いや、いやよ!

犬夜叉・・・

 

このまま、私だけなんて・・・

 

私一人でなんて・・・!

 

 

「あ!・・・や!犬夜叉ぁ!」

 

「気持ちいいんだろ?すげぇぜ、お前の膣内(中)。」

 

「あん!・・・や!あ!」

 

「指吸い込んでるようだ。」

 

 

私の反応と共にどんどん激しく動く指先。

そして、その進退と奥を突いてくる感触が

私の頭の中を真っ白にしていく。

 

 

いや・・・!

 

私だけなんて・・・!

 

 

「あ!ああぁ!あ!」

 

「このまま、いっちまいそうだな、かごめ?」

 

 

犬夜叉の腕にますます力がこもり、

私の高揚しきった顔を見つめている。

 

 

思わず叫んでしまった。

 

 

「いや!私だけじゃ嫌よ!・・・・来て!」

 

「あ?どうした?・・・何が欲しい?」

 

 

激しく動く指先が少しだけ動きを静める。

だけど、私の体はもっともっとと強欲に求め始めてしまった。

 

 

「・・・お願いだか・・・ら、・・来て!」

 

 

泣きそうな声に近い声。

彼の肩を掴んで懇願する。

 

 

「嫌!お願いだから、あんたも・・・来て!!」

 

「かごめ!」

 

 

それまで自分のことだけで精一杯だった。

でも、私の言葉に犬夜叉が応えたとき

はっきり気がついた。

 

あんたも感じていたんだって・・・・

 

 

「かごめ・・・!」

 

「あああ!!」

 

 

電気ショックを浴びせられたような悦が

一瞬のうちに脳天を突き抜ける。

 

そして、突き抜けたときに初めて気がつく。

 

犬夜叉自身もまた身を固めて

私の体を待ち望んでいたことを・・・

 

 

「あ!ああ!」

 

「かご・・・め・・・!」

 

「もう駄目!・・・わ、私・・・いっちゃ・・・あああ!」

 

「俺・・・も・・・、ぁっ!」

 

 

私の中の絡みつくような締め付けと

犬夜叉の思いが同時に解放(はな)たれた。

 

 

「はぁ、・・・・よかった・・・、かごめ・・・。」

 

「・・・・う・・・ん・・・。」

 

 

重ねた体と重ねた唇。

 

同じような鼓動も

今夜、朔の夜、彼が人間である証拠。

 

半妖の時とは違う激しさの中でも

どこか穏やかになれる交わり。

 

 

そして、ようやく彼は私の頭を腕の下に敷き、

笑みを投げかけながら、

私の瞳がゆっくりと閉じていくのを見てるんだわ・・・

 

私が眠りに就くのを・・・

黙って静かに見守って・・・

 

私の願い聞いてくれたのね

このまま、二人で抱き合って眠りたいって・・・

 

私のこともちゃんと考えてくれる犬夜叉・・・

そしたら、あんたのしたいことも拒否できないわよね・・・

 

 

愛し合うことに躊躇いなんて

無意味・・・なのね・・・

 

 

お休み・・・

犬夜叉・・・・

 

 

穏やかな眠りを与えてくれる

犬夜叉の思いやりに

愛しさを一入(ひとしお)に感じた

そんな、ある日の朔の夜の出来事。

 

 

 

 

 

 

【後書】

これ以上濃く描いたら、文字数等の関係で読みづらいだろうと

大分はしょってしまい、結局甘々なところを見せ付けるだけで

終わってしまいました(^^

 

今度はもう少し、濃いのを書いてみたいな・・・・

いずれ、どこか・・・で。

ふふふ・・・

 

駄文に最後までお付き合いくださいましてありがとうございましたv

 

はなまま