■五月ノ抄               2008年5月5日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

既に夕日が山間に沈みかけようとしていた頃

 

かごめは見当たらぬ一人の影を探していた

 

 

「珊瑚ちゃん、犬夜叉見なかった?」

 

「え?昼間は法師様といたところを見たくらいで後は全然」

 

「もうすぐ夕飯だって言うのに犬夜叉ったら・・・」

 

「犬夜叉のことだから、またどっかに飛んでったのかしらね」

 

「うん・・・」

 

 

夕餉を過ぎても犬夜叉は戻ってこなかった

 

喧嘩したわけでもない

特に妖怪退治があったわけでもない

 

どうしたものか

 

かごめは一息溜息をつき

何気に天を見上げた

 

あまりにもの明るさに気がつかなかった

今宵の天

 

 

「あ・・・!」

 

 

現代では見ることのない無数の星が

あまりにも明るく

今夜が朔だということに

かごめは思いもよらなかった

 

 

「朔・・・だったんだ・・・」

 

 

かごめは踵を返すと早速楓の小屋へと戻り

数個の握り飯を認(したた)め

思い当たる場所へと駆け出した

 

 

 

 

 

「やっぱり、ここにいたんだ」

 

「あ?かごめ?」

 

 

楓の村から少し離れた山間

 

茂みのさらに奥深く隠されているかのような洞窟

 

思い当たらなければ

そこに洞窟があることなど

村人さえわからない

 

そんな暗い暗い

人知れぬ場所

 

それはまるで今の犬夜叉の心境を語るかのように

誰に知られることもなく

身を潜め

じっと夜が明けることだけを待つだけの

そんな孤独な空間・・・

 

かごめの一声に

奥のほうから蠢く闇色の影

 

そこから黒髪の少年が

聊か肝を突かれたかのように

円らな黒い瞳でかごめの姿を見つけた

 

 

「ごめんね、今夜が朔だったなんて気がつかなくて・・・」

 

「別にお前が謝ることじゃねぇだろ」

 

「でも、皆朔のときの犬夜叉を知ってるんだもん。何も身を隠さなくても・・・」

 

「そうやって構われるのが嫌なだけだ」

 

「犬夜叉・・・」

 

「まして、こんな時間にこんなところまで来て

なんかあったらどうするつもりだったんだ?」

 

 

そういつつも不貞腐れた表情の奥

 

かごめだけはその場所に立ち入ることを許すかのように

洞窟の中、平たい岩のほう

腰掛けられる場所へと彼女を招きいれた

 

長い時間

今の仲間を得るまでの犬夜叉の孤独な生き方を

知らないでもないかごめは

ふと陰りを落としながら

愛しくてたまらない犬夜叉を優しく見つめる

 

自分の感情にさえ素直に語ることも出来なかった彼

 

半妖の犬夜叉が朔を知られるということは

時として命を落としかねない

 

かごめは優しく笑みをこぼすと

楓の小屋から持ってきた握り飯を

犬夜叉の前に差し出した

 

 

「夕飯くらい皆で食べればよかったのに・・・」

 

「け!・・・こんな姿、楓ばばぁにまで見せる気ねぇよ」

 

 

一理あるその言葉の重さ

 

楓は決して誰かに人の秘密を容易に口にすることはないが

今の世界の中

犬夜叉の生き様を誰よりも長く知っているのは彼女、ただ一人

 

そんな彼女に今の自分を見られることは

犬夜叉の胸中を思えば致し方ないこと

 

 

かごめは、犬夜叉の思いを察すると

まだ温もり残る握り飯を彼の前へと

そっと差し出した

 

 

「おにぎり、持って来たよ」

 

「いらねぇ。腹減ってねぇよ」

 

「もう、犬夜叉ったら・・・」

 

「・・・・」

 

 

それでも、自分のところまで

一人来てくれたかごめ

 

犬夜叉の心の奥へ立ち入ることを唯一許す存在

いや、

許す・・・そんな思いよりも何よりも

 

かごめの中へ自分という存在があることを

許されたい、確かであって欲しい

 

そう思える大切な・・・

 

 

そんな自分の素直な感情を

うまく伝えること覚束ない

まだ少年の陰りを残す犬夜叉

 

素直な表現・・・

 

自分が来てくれた喜びを

うまい具合に形に出来ない

言葉に出せない犬夜叉を

かごめはなおのこと愛しいと感じる

 

 

「他に何か欲しいのでもあった?」

 

「・・・・」

 

「あ!カップラーメンのほうがよかったかしら?犬夜叉、大好きだもんね」

 

「・・・・」

 

 

俯いたまま言葉を発することのない犬夜叉

 

かごめはなおのこと言葉を続けようとしたときだった

 

 

「犬・・・あ!」

 

 

突然、犬夜叉はかごめのか細い躯を押し倒す

 

 

「や!犬夜叉?な、何・・・うぐ・・・!」

 

 

無理矢理押し込んでくる牙のない犬夜叉の口、そして舌

 

犬夜叉はかごめの躯を押さえ込むと

我知ってるかの如く

かごめのスカートの下

一枚の白い布

そこから容易に片足を引き抜く

 

 

「・・・・む・・・うぐ!」

 

「・・・・・」

 

 

犬夜叉は自分の衣

腰紐をするりと解すと

隆々とした

もう一人の自身を取り出し

まだ潤いない秘所へと宛がい

そして一気に押し込んだ

 

 

「・・・・む・・・ぅ・・・!」

 

 

口を塞がれ声も出せない

 

思いもよらない口づけ

口内全てを吸い取るかのような舌

 

そして、それと同じように

無理にと潤いのない場所に

犬夜叉の自身が押し入ってくる

 

押し入る秘所の周りの襞(ひだ)が巻き込まれ

軽い引き攣りを痛みと共に感じる

 

やがて犬夜叉の杭は、

かごめの中にと打ち込むと

いつもと変わらぬかのように

進退をゆるりゆるりと動き始める

 

 

犬夜叉は己の顔を

かごめの口から開放すると

真下にいる潤んだ瞳じっと見つめた

 

 

「い・・・犬夜叉・・・」

 

「・・・もっと動かす・・・」

 

「・・・!い・・・犬夜・・・ああ!」

 

 

犬夜叉は服の上から

かごめの豊満なる乳房を弄り

それと共に腰を大きく降り始めた

 

 

「あ!い、痛・・・!あぁ!」

 

「・・・かご・・・め・・・!」

 

 

数度の進退

 

やがて呼び起こされる『女の性』

徐々に潤い始め

痛みに引き攣った顔がいつしか悦に浸り始め

声もまた甘い息へと移り変わる

 

 

「あ!あ!犬夜叉!」

 

「・・・もう濡れてるだろ?」

 

「嫌!言わないで・・・!」

 

「ほら・・・触ってみろよ」

 

「あ!犬夜叉!」

 

 

そういって秘所へと

かごめの手を掴み

誘う蜜壷

 

堅く熱を帯びた杭

 

互いの茂みを合わせた

愛し合う男と女をひとつに繋ぎ留められる唯一の箇所

 

そのまま犬夜叉は進退を始めた

 

かごめも犬夜叉の突然とは言え

彼によって呼び齎せられた女の応えに

甘い息がやがて熱く激しい息遣いと変わり

真上に圧し掛かる犬夜叉の首にと腕を回した

 

 

「あ!あぁ!・・・ああっ!」

 

「かごめ・・・!かご・・・!」

 

 

その交わりは愛撫も何もなく

行き成り結合したものであったにも関わらず

二人共々やがて訪れる悦の頂点を目指し始める

 

 

「・・・く・・・あ・・・!」

 

「あ・・・!いやぁ・・・あぁ!犬夜叉・・・!」

 

 

かごめの躯が岩にあたらないよう抱き起こし

まるで犬夜叉の組む胡坐の中心に納めるように抱え込み

腰元をしっかりと手に上下に激しく動かす

 

その度にかごめも重力で落ちる勢いと

犬夜叉の男の腕によって持ち上げられる

成すがままの我が身

 

子宮の奥までを激しく刺激され

自分の中に収められた犬夜叉の自身を

どんどん強く締め付けていく

 

その締め付けは犬夜叉も感じ始めていた

自身の首元から流れ出すかごめの体液

音を立て、洞窟中にと響き渡る

 

 

やがて互いの頂点へと達したとき

透明の体液に混じるように

白濁色の液が唯一繋がった一点から

ゆっくりと音もなく流れ出し

わずかな雫が岩の上にと零れ落ちた

 

 

「・・・・はぁ・・・」

 

「大丈夫か?かごめ」

 

「・・・行き成り・・・、もう!」

 

「お前がいったんだぞ?」

 

「して、なんて言ってない!」

 

「何か欲しいものがあるか?って聞いたじゃねえか」

 

「そういう意味じゃないー!」

 

 

そういって互い見つめあい

額を会わせ、ぷっと笑う

 

 

「ねぇ、お願いだからおにぎり食べて?」

 

「わかったよ!食えばいいんだろ!食えば」

 

 

そういうとかごめは犬夜叉の体を退けようと

立ち上がるが

それを犬夜叉は無言のまま阻む

 

 

「ちょ!犬夜叉!」

 

「このまま食う」

 

「え!」

 

「まだ繋がっているぜ?俺たち」

 

/////!」

 

 

その言葉の後、もう一度かごめの体を抱き締める

 

 

「ちょ!犬夜叉!」

 

「お前に食わせて欲しい」

 

「え!」

 

 

頬を赤らめ

珍しく素直に自分の我が侭をいう彼に

驚きを隠せない

 

まして、下部は繋がったまま

 

でも、かごめにもわかる

その存在感

 

確かにそこはまだ圧迫感を感じ

我其処に在りと言わんばかりの存在感を示している

 

女として喜んでいいものかどうか

 

交わるたびに思い知らされる

この悦び

この想い

 

かごめは観念したかのように

小脇に置いたままの

少し冷めた握り飯をひとつ取る

 

 

「なんか大きい子供」

 

「何言ってんだ、俺に抱えられているくせに」

 

「さ、おにぎり食べて」

 

「馬鹿だな〜、お前」

 

「え?」

 

「俺はお前に食わせてって言ったんだぞ?」

 

「??」

 

「お前の口から食いたい・・・」

 

「い、犬夜叉・・・!」

 

 

 

思いがけない我が侭を

愛故に求められるかごめ

 

少しばかりの飯を

噛むことなく

そっと犬夜叉の口へと運ぶ

 

犬夜叉は誰よりも嬉しそうに

かごめの口内を味わいながら

食し始める

 

わずかなる甘い時間

 

まだまだ続く

朔の蜜月

 

 

 

 

 

【後書】

 

はい。最後に書いたとおり、このお話には続きがあります。

5月の話を6月まで引っ張るか、それともお話2として

あげるかどうかは、まだ決めてませんが続きます!

 

気のせいか、どんどん自分の趣味に走っているか?

とも思うときもありますが、それなりに甘いはず

 

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アナログ漫画なので、わかる人はわかると思いますが

興味ある方(もち苦言は勘弁にて)お尋ね下さいv

 

                                   はなまま