■7月ノ抄               2008年7月3日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その姿を思い浮かべる

 

 

存在そのものを己が知った瞬間に込み上げる

そして、その膨れ上がる感覚が

行動へと本能的に動くことを

「衝動」という言葉にするのであれば

 

反対に

冷静にやや沈黙に近い状態で

その柔肌に滑り込むかの如く

手を伸ばしてしまうこともあるもので

そして、その言葉を現すとすれば

それは何なのであろうかと

思慮を張り巡らせてみる

 

 

うっすらと汗ばんだ皮膚と皮膚が

重なり、擦れあい鬩ぎ合う中でも

ふと思うこと

 

 

 

 

しなやかな肉体は自分にあまりにも忠実に反応する

 

口元から毀れ出る言葉を耳にし

それが如何に『否』を唱えても

脳に伝わる瞬間には

不思議とそれは全て「肯」と挿げ変わる

かも不思議なる

最中(さなか)の言霊

 

 

卑しくも口角から滴る雫を

愛おしく掬い上げるのもまた然り

 

膨よかなる乳房を荒々しく

鷲掴みとし

その身を激しく揺らすも

本能を剥きだした雄の性(さが)なす故ならば

燻(くゆ)らす雌の快楽への頂点へと誘(いざな)うも

また雄の使命

 

 

背に突き刺さる桜貝のような爪が語り掛けてくる

 

 

もっと欲しい

もっと欲しい

 

 

貪欲に求め欲(ほっ)する雌の本性を雄は求める

 

 

我腕(かいな)にて狂い、果て、

心に残す僅かな理性を吹き飛ばしたい

 

猛々しくいきり立つ己の自身を

愛して止まないはずの

か細い肉体の中心へと

幾度となく突き上げ

 

 

 

 

ソノママ、コワシテシマイタイ

 

 

 

 

ふと思う我胸の内…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「犬夜叉?」

 

「・・・・」

 

「ねぇ、犬夜叉ったら・・・」

 

「あ?」

 

 

朔の夜

かごめの部屋に留まることはあっても

その家族にさえ

姿を見せることは無い

 

妖怪から人間へと変容しようとも

腰元まで垂れ下がる美しい漆黒の髪を

見せることも無く

灯りを消したまま

じっとかごめの部屋で蹲(うずくま)る

 

 

「皆でご飯食べようよ?」

 

「いらね」

 

「お腹空いたでしょ?」

 

「・・・・」

 

 

溜息と共に諦めた様子が伺える

 

かごめは致し方なく一人階下、

家族の元へと足を戻す

 

 

 

 

 

 

 

 

どれほどの時間が過ぎたか

家族が寝静まったのか

家そのものが

静寂だけの箱物となった辺り

かごめがようやく部屋へと戻る

 

 

「犬夜叉?」

 

 

返事も無く、壁に背を向けたまま

横になり目を閉じている

 

またしても溜息

 

かごめは思いついたかのように

机の電気だけを灯す

 

所謂「べんきょー」という奴

 

何やら紙を引っかく音がしばし続く

時折分厚い本を取り出し

何枚も何枚も捲る音が聞こえると

再び、紙を引っかく音がまた始まる

 

その時間さえ知る術はない

 

瞼を閉じても

その動作は手に取るようにわかるのは

朔の夜だけではない

 

幾度もの月日を

共に過ごしてきた証とも言うべきか

 

かごめの現代で必要とされる行為を

今は無条件に受け入れられる

 

最初は持っていた書物の一つ一つが

何程目新しかったか知れない時が嘘かのように・・・

 

 

 

 

「やっと終わった・・・」

 

 

誰に語りかけるわけでもない言葉

 

それはかごめが現代でなさねばならない行為のひとつに

区切りをつけた・・・と解釈しても構わないはず、の言葉

 

 

机の上で伸びをし、

軽く肩を揺らし

一息つく彼女の背後へと

足音もなく近づく

 

 

 

そっとそのまま抱き締める

 

 

「犬夜・・・」

 

 

ここまできて言葉は何を意味するか

 

この空間には二人だけしかいないはず

 

 

 

 

名前を呼ぶなら・・・

 

お前が俺の名を呼んでくれるのなら・・・

 

 

 

 

 

 

静かに

 

それは静かにそっと衣服の下にと手を伸ばす

 

 

かごめの口元は確かに自分の名を呼んでいた

 

だが、それは最後まで発することをあえて阻む

 

 

「・・・む・・・ぐ・・・ぅん・・・」

 

 

かごめの部屋という四角い箱の中

静寂と闇

机の上の小さな灯火

 

 

戦国時代には見ない揺れることの無い光が

かごめの白い頬を闇に浮かばせる

 

顎を掴み、顔を逸らす事許さず

深く深く口付ける

 

 

白い灯りに照らされたかごめの頬が

徐々に徐々にと

紅く染め上げられ

 

やがて・・・

 

 

「あ・・・犬・・・」

 

 

潤んだ瞳が揺れる

 

その目を見た瞬間にはもう既に

かごめの体を抱き抱え

 

「べっど」の上へと横たえ

そして

 

重なるように覆いかぶさる

 

 

一枚一枚衣服を剥ぎ

その奥から

真珠のような柔肌を曝け出し

口付ける

 

 

 

 

漏れる声

 

揺れる吐息

 

甘い鼓動

 

 

「このまま・・・いいのか?」

 

「どう・・して・・・聞く・・・の?」

 

「いつものお前なら怒るんじゃねぇか?」

 

「・・・」

 

「家族も・・・いる・・・」

 

 

それでも手が休まることは無い

 

犬夜叉の手の中にと収められた乳房の先端が応える

硬く突き出し

その存在感を示し出す

 

もう片方の手を下に伸ばすと

そこは既に

 

 

 

・・・・溢れていた

 

 

 

「だって、・・・今日の犬夜叉・・・」

 

「なんだ?」

 

「全然口聞かなかったし・・・でも・・・」

 

「・・・」

 

「珍しく勉強の邪魔もしなかった・・・」

 

「意味わかんねぇ」

 

「朔だから仕方ないかな〜って思っていたけど・・・」

 

 

 

 

――――でも、私を抱いてくれるのが嬉しい

 

 

 

 

誰にも聞こえないように

 

二人だけの秘め事を

家族に悟られまいと

 

ただ声を押し殺し

 

犬夜叉はかごめの腰を軽く持ち上げ

猛々しくいきり立つ自身を深く深く貫く

 

緩い進退を繰り返し

かごめの悦を引きずり出す

 

声が漏れそうになる度に

その口を己の唇で塞ぎ

 

そこにひとつの肉体の輪を作り出す

 

 

 

 

言葉をかける訳でもなく

 

無理にと事に及ぼすわけでもなく

 

それでも

 

磁石のように引き合い

重なり

求め合う

 

静かなる交わり

 

 

 

だが、そこにはやはり隠せない思いが混在することを

改めて知るのは

 

互いが互いを求め合う

欲しいと思う心に他ならない

 

 

やはり

 

それは

 

「衝動」の一部に過ぎない、と

 

欲しいと思う「欲求」と言う名の「衝動」だと

認めざるを得ない

 

 

 

今宵、朔の蜜月はかくも静かに

互いの「衝動」を重ね合わせた一夜・・・

 

 

 

 

 

【後書】

 

えーーーっと^^;

最初は真面目に書いていたのですが・・・

直前になって、読みたい漫画に没頭してたら時間が無くなりました(爆)

 

何を言いたいのか、よくわからない内容・・・

エロも何もあったもんではないですね(猛反省)

 

いや、言いたいことはあるんですよ(ここから言い訳)

 

「欲しい!」とか「やりたい!」とか

言葉に出すだけではない事の始まりとかを考えておりました。

 

手を重ねた瞬間にお互いが何を求めているか

 

そんなことを考えながら書いてみました。

次回はもっと・・・考えます><

 

ここまで駄文にお付き合いくださってありがとうございました。

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読んでみたい〜!とか興味ある〜♪という猛者・・・いるのかな〜

アナログ漫画なので、どういったものか

わかる人はわかると思いますが

興味ある方(もち苦言は勘弁にて)お尋ね下さいv

 

                                   はなまま