■8月ノ抄(特別編)             2008年8月31日

 

 

 

 

 

 

 

※ 注 意 ※

今回の朔作品特別編についてですが、とある方よりリクエストがありました。

ちょっと(?)鬼畜に走る犬です。

なので不快感を持たれる方(または可能性のある方)は

ここから先を読まれることをお勧めいたしません。

また、苦情等につきましても一切受け付けません。

(まだまだぬるいぞ!ということについては・・・ ^^; )

 

以上をご理解の上、お読み下さい。

 

K様のご希望に添うこと祈りつつ・・・

 

 

でも、愛はてんこ盛り・・・予定()

 

 

 

 

 

 

 

 

狐 疑 − こ ぎ  T −

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や!ああ!犬夜叉ぁ!」

 

 

遠慮などまるでない突き上げに

かごめの白い肉体が闇夜の中で弾けるように揺れ動く。

 

 

「ほら!・・・かごめ、・・・もっと・・・!」

 

「や!・・・あん!・・・うぁ・・あ・!」

 

 

真下に敷かれた絹の肌は露の汗を転がす。

犬夜叉も今夜は人間となっているせいなのか

額から線を落としたかのような汗を流している。

 

 

響き渡るかごめの歓喜の・・・と言うよりは

既に悲鳴に近かったのかも知れない。

 

その声が犬夜叉の耳に突き刺さるも

それさえもが彼の男としての本能という

猛火に油を注ぐだけの結果となる。

 

 

 

かごめの中心に貫く芯に何度となく伝わる締め付けが

やがて、その芯の持ち主を快楽の頂点へと導く。

 

 

「くは・・・っ!」

 

 

犬夜叉はかごめの上で大きく仰け反る様に顎を上げ息を呑み、

思いのたけをその中へと注ぎ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朔の夜を迎える頃となると気が立って仕方のないことは

自分でもわかっていた。

 

 

 

 

――――日が落ちれば、人間になる

 

 

 

 

それが半妖の自分にとってどれほどの弊害を齎すことか・・・

 

 

 

一昔前であれば、それは即ち

 

『自分を守る術(ちから)もない己が一人で夜を過ごさねばならない』

 

という孤独に生きてきた生い立ちから必然的に養われた、

もはや、それは習性に近い感覚であった。

 

 

だが、それもかごめと肉体を交わすことによって

半妖の自分と人間であるかごめの二人がひとつになる行為を

 

『朔の夜』だけは、『より深い交わり』ができる・・・

 

という『負』から『悦び』へと摩り替わっていた。

 

 

 

 

 

半妖のときのような力の加減も必要のない

薄皮一枚を纏った上で重なるような触れ合いも

人間の時には自分の腕の中で

好きなだけ抱きしめることが出来る。

 

白い肌を伝う指先も爪で傷つけてしまう心配もなく

ここぞとばかりに感触を味わうことが叶う。

 

 

 

――――いつからだろう・・・・

 

――――こんなにも朔の夜が待ち遠しいと思うようになったのは・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬夜叉の思いがあまりにも過大であったのか

かごめの反応はまた違ったものであったことがことの発端。

 

 

 

 

 

 

日が沈み、珊瑚と共に夕餉の支度を始めるかごめ。

 

 

(ま、腹減らしちゃ可哀想だし・・・)

 

 

七宝がかごめの膝上から離れようとしない・・・。

 

 

(お前はいつもいつもかごめに纏わり付きやがって・・・!)

 

 

 

やがて食事も落ち着き、片付けを始める。

 

犬夜叉は片隅で仏頂面で座り込んでいるのを

珊瑚が声かける。

 

 

「もう、あんたってば今夜は人間で

皆に守ってもらわなきゃいけないんだから、

もう少し愛想よくしていたらどうなのよ?」

 

「あ?なんでぇ!この俺が人間だからって、そうそう負けるもんか!」

 

「へ〜。じゃ、今夜は外でゆっくり寝たら?」

 

 

売り言葉に買い言葉になったことは否めない。

 

だが、そこで問題なのは

かごめもその会話を聞いていたことだった。

 

 

 

 

かごめがじっと見つめている。

 

 

「犬夜叉・・・。」

 

 

(・・・や、今夜は(も?)もちろん・・・)

 

 

「ねぇ・・・。」

 

 

(そんな心配そうな顔しなくたって、俺はちゃんと・・・)

 

 

 

 

 

 

「危ないから、皆と一緒に寝よ?」

 

 

 

 

 

何だとぉーーーーーーーーーーーー!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

思いがけない言葉に犬夜叉は勢いよく立ち上がり

かごめを睨みつけた。

 

 

「お・・・お前・・・今夜は・・・!」

 

「今夜は・・・朔でしょ?」

 

「だから、俺は・・・お、俺は・・・!」

 

「意地張らないで・・・。ね?犬夜叉。」

 

 

 

 

 

かごめーーーーーーーーーーー!!!!!!!

 

 

 

 

いきり立つ犬夜叉の後ろから、

飄々と弥勒がやってきた。

 

 

「近くに湯の湧き出している岩場を見つけましたよ。」

 

「きゃー!温泉だ!!」

 

 

弥勒は憤慨する犬夜叉にも動じず、

さも白々しく肩を抱き

「我々が見張ってますから、女子方はどうぞゆっくり入ってきて下さい。」

 

 

弥勒の魂胆は見え見えなのは判りきっていた。

 

珊瑚やかごめの入浴を見張りという役に乗じて覗こうという下心。

 

 

「大丈夫じゃ!今夜はおらが見張りをするぞ!」

 

「七宝ちゃん?」

 

「ふん!これだから半妖はあてにならん。ここは妖怪のおらがしっかりと・・・!」

 

「じゃあ、お願いしちゃおうかな?ね、珊瑚ちゃん。」

 

「そうねぇ。犬夜叉も今夜は人間だし。」

 

「おめぇらぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湯上りのせいなのか。

 

ほのかに『石鹸』という香りの色香を漂わせ、

かごめと珊瑚が戻ってきた。

 

 

弥勒は七宝の見張りのせいなのか

残念そうに首を項垂れつつも

女子共が無事戻ってきたことに

一応の笑顔を返す。

 

 

「あれ?犬夜叉は?」

 

 

そこに見当たらない一人の男の姿をかごめは探す。

 

 

「ああ、犬夜叉なら、どこかに立ち去りましたよ?」

 

「一人で?」

 

「はい。一人で。」

 

「・・・・。」

 

 

かごめは瞬時に諭した。

 

 

 

――――もしかして、さっきの会話に怒って(いじけて)この場を立ち去った?!

 

 

 

「私、ちょっと犬夜叉、探してくる!」

 

「かごめ様?」

 

「かごめちゃん?!」

 

 

弥勒達の声を後にかごめは犬夜叉が去っていったらしい方角へと足を向け駆け出した。

 

 

 

 

 

――――犬夜叉!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ!犬夜叉?どこにいるの?!」

 

 

大声を出すも、戻ってくるのは

月明かりさえない闇夜に揺れる木々の葉音。

 

 

「犬夜叉・・・どこに・・・いるの?」

 

 

奥に行けば行くほど不安も大きく膨らんでいく。

 

 

犬夜叉の姿を必死に探すも

暗い闇の中で女が一人。

 

心細いわけがない。

 

 

 

 

――――こんなに怖いのに、人間のあんただって・・・!

 

 

 

 

 

一人取り残されたような不安の中。

 

犬夜叉の心にあるであろう朔の夜の恐怖。

 

 

 

かごめは襲い掛かる恐怖を振り払い

愛しい男の名を叫ぶ。

 

 

「犬夜叉ーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

それから間もない、その瞬間。

 

かごめは身の浮く感覚を覚える。

 

 

「きゃ・・・!」

 

 

(や!誰?!野盗?!)

 

 

「かごめ・・・!」

 

 

(え?)

 

 

犬夜叉は後ろから、かごめの体を捕まえると、

その体を木の幹へと押し付けた。

 

 

「い、犬夜叉!」

 

「・・・。」

 

 

そのときのかごめの笑みは言うまでもない。

また、その瞳がいつも以上に潤んで見えたのは

多分・・・涙が溢れかれていたせいだとも思う。

 

 

 

 

だが、それでも・・・

 

 

 

 

「よかった、犬夜叉・・・、無事でいてくれて・・・。」

 

「当たり前だっつーの。」

 

「だって、もし、ここで妖怪なんか現れたら・・・。」

 

「それよりも・・・」

 

 

犬夜叉はかごめの口を塞ぐかのように

自分の唇を重ねた。

 

いや、重ねた・・・というよりは

むしろ勢いよく舌を押し込み

舌尖から舌根全てを吸い尽くすかのように

口内へと襲い掛かった。

 

 

「うぐ・・・!う・・・む・・・!」

 

 

その勢いにかごめの体が砕け始めた。

犬夜叉はそのままの姿を留めるかの如く

倒れかけたか細い躯をそのまま木に押し付け

そして、胸元を勢いよく押し上げた。

 

 

「い、犬夜・・・!」

 

 

それは言葉を発することを禁ずるかのようだった。

 

犬夜叉はいとも簡単にかごめの衣服を全て払い取り

生まれたままの姿を森の真ん中で晒け出した。

 

 

無言はまだ続いたまま、

それでもかごめの躯に傷がつくのを恐れてか

緋の衣を脱ぐと地面へと広げ

そこへとかごめを押し倒した。

 

 

「犬夜叉・・・。」

 

 

腰まで伸びた黒髪が白い肌へするりとかかる。

 

 

ゆっくりと自分の胸元を広げ

膨よかな乳房を押しつぶすかのように圧し掛かった。

 

自分の硬い胸板を擦り合わすかのように

ゆっくりと前後に動かす。

 

 

「あぁ・・・!」

 

 

合わさる部分にかごめの乳房が形を変える。

その乳房の頂点にある蕾が犬夜叉の胸で幾度も角度を変えられ

その度にかごめの口から息が漏れ出してくる。

 

 

「や・・・!犬夜叉・・・!あ・・・!どうし・・・て・・・。」

 

 

突然の行為にかごめもどう言えばいいのか迷いつつも、

それでも必死に思いの糸を手繰り寄せ

口にと出した。

 

 

「どうして?」

 

 

犬夜叉はさらに勢い付け、乳房へと被り付いた。

 

 

「あ!」

 

 

手で全てを覆うかのように乳房を持ち上げ

その巓を飲み込むかのように頬張る。

 

空いているもうひとつの巓は

片方の手が宛がわれ

指先が琴線を弾くかのように器用に何度も爪弾いていた。

 

 

「犬夜叉・・・。」

 

 

返りはない。

 

 

「ね・・・犬・・・あん!」

 

 

愛しい女の口から出る言葉。

 

 

「ちょ・・ねぇ・・。・・・ああん!やめ・・・!」

 

 

犬夜叉はかごめの声に耳を貸さず、

そのまま下の茂みの中へと指を滑らせる。

 

掻き分け押し入る指先。

 

その手応えにようやく犬夜叉は身を起こしつつ

かごめの目を見つめ、手を止めた。

 

 

「犬夜叉・・・。」

 

「なんでだ?かごめ・・・。」

 

「な、何?」

 

「・・・。」

 

「犬夜叉こそ、・・・どうして・・・いきなり・・・。」

 

 

そういいながら、かごめも晒された胸を手で覆い隠しながら

体を起こした。

 

俄かに頬を染めながらも

あまりにも突然のことに怒るべきか、罵るべきか。

 

彼が自分に対して求めも何も請わないうちに

身に纏う全てを剥がされ

わずかでも弄ばれたことに犬夜叉の胸中を訝ることを禁じえない。

 

 

「どうして?」

 

 

 

 

 

欲しいなら欲しい・・・

 

 

 

 

――――求められれば、それは・・・

 

 

 

 

犬夜叉が求めるのであれば、決して拒絶はしないつもりではいた。

 

朔の夜は他の日よりも神経が研ぎ澄まされるせいか

苛立ちや気分が高ぶることも知っている。

 

 

 

なのに、今夜の彼は・・・

 

 

 

だが、意外な言葉でかごめの訝る心を揺さぶった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうして、お前は俺を・・・求めない?」

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

その言葉の奥に秘められた彼の心に燻る疑懼の念。

 

 

 

 

 

犬夜叉の言葉が何度も頭の中で反芻する。

 

 

 

――――なぜ俺を求めない?

 

 

 

その言葉の奥に秘められた思い。

 

しかし、その思いは何なのか考えたくとも

それは犬夜叉の執拗な愛撫によって払拭させられる。

 

 

犬夜叉はかごめの足の間に割って入り込み

股を閉じることを遮ると

無遠慮に指を宛がい、その中心の茂みを掻き分け押し開いた。

 

 

数重に重なる襞を夜風に晒す。

 

普段決して外気に触れることのない秘所がいやに冷たく感じる。

 

 

ただでさえ野外という環境がかごめの羞恥心を大きく高ぶらせているにも関わらず

それにもまして、愛撫というにはあまりにも無体に感じる行為を

彼はかごめに強いる。

 

 

「や!・・・やめて!犬夜叉!」

 

「ほう・・・。」

 

 

犬夜叉はかごめを見下ろしたまま

その秘所へと指を差し込んだ。

 

 

「あ!いやぁ!」

 

 

濡れぼそる蜜壷。

 

犬夜叉はわざと指をゆっくりと抜き差しを始めた。

 

 

「や・・・!ああん!」

 

 

瞼を硬く閉じた彼女の頬が瞬く間に紅く染まるのを見下ろす。

 

その様子を確かめるかのように指の動きを数回繰り返すと

かごめの躯は今までさんざ齎された快楽を思い出し始めたのか

いつしか、その躯全てを彼に与えるかのように身を任せ・・・

 

 

いや、それはほんの束の間のことだった。

 

 

再び同じ言葉を彼女に向ける。

 

 

「お前は・・・俺が欲しいと思わない、のか?」

 

「犬夜叉?」

 

「俺に抱かれたい・・・とか思わないのか?」

 

「・・・・。」

 

 

 

 

 

思いがけない問い。

 

 

 

――――どうして自分を求めてくれないのか?

 

 

 

「あ、・・・犬・・・。」

 

「なぜだ?かごめ・・・。」

 

 

 

 

求める・・・

 

欲しい・・・?

 

 

抱かれたい・・・?

 

 

 

その応えを今?

 

 

かごめの躯はもはや彼の手によって

肉欲の火を灯されている。

 

下腹部が疼く。

 

それは何やら音まで聞こえてきそうな程の・・・。

 

 

「俺が欲しいか?」

 

「あ・・・。」

 

 

その応えを言わせるがため?

そのための愛撫?

 

 

かごめはゆっくりと犬夜叉の腰元へと視線を向ける。

 

そこには、もう既にはち切れんばかりに雄雄しくそそり立つ

男の象徴が目に留まる。

 

しかし、彼の目はかごめの顔を捉えたまま離さない。

 

 

卑しいほどに彼を求め始めたかごめの女としての思い、感覚。

 

 

高まらせるだけ高めておきながら・・・

 

 

 

 

かごめが求めることが出来ないのであれば

求めるよう仕向ければ・・・いい?

 

 

 

腹の奥底で囁く、

もう一人の男、犬夜叉。

 

 

犬夜叉はふと笑みをかごめにむける。

 

まだ満たされないかごめの肉体はその笑みひとつでも翻弄される。

 

 

それを知ってか知らないでか・・・

 

 

犬夜叉はかごめに奇妙なことを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「服を着ろ。戻るぞ。」

 

 

「犬夜叉?」

 

 

 

 

 

投げ捨てたかごめの服を拾い上げると

それを彼女に手渡し、そのまま口付けた。

 

 

 

 

かごめの肉体に灯された快楽の火は

 

まだ燃え盛っているというのに・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

 

・・・続きます。

 

 

はなまま