■1月朔夜               2009年1月26日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どこさわっているのさ!この助平法師がーーー!!!!」

 

 

・・・まただ・・・

 

 

弥勒の相変わらずの愛情表現。

 

そして、その後にくるわかりきった応。

 

 

 

(いい加減、わかれよ・・・)

 

 

 

脇目にする弥勒と珊瑚の遣り取りに軽く溜息を漏らす自分。

 

その視線に気がついたのか、

弥勒が頬を擦りながら近づいてきた。

 

 

「これから、かごめ様の国に行くのか?」

「え?あ、ああ・・・。」

「・・・ほぉ。」

「・・・なんだよ?」

「いいえ・・・。」

「・・・・。」

「・・・・。」

「なんだってんだよ!」

「今夜は月明かりのない夜・・・。朔だったものな〜。」

「・・・・!」

 

 

どう捉えても、それは冷やかしにとしか聞こえない台詞ではあったが、

犬夜叉もいちいち、弥勒の含みのある言葉を気に留めていたのでは

夜の帳もきてしまう。

 

 

「ちょっと行ってくる!」

「はいはい。」

 

 

 

(お前と一緒にするんじゃねぇ!)

 

 

 

 

そのときの自分はそう思っていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら?犬夜叉?」

「来て悪いかよ。」

「そんなことないけど・・・。」

 

 

 

 

―――今夜は誰もいないから・・・

 

 

 

 

(その言葉はどう取ればいいのやら・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来るのがわかっていれば、何か買い物しておいたんだけど・・・。」

「あ?構わねぇよ。」

「あるものでごめんね。」

 

久しぶりにかごめの実家で二人きりの夕餉を取る。

 

いつしか夜となり

既に人間と化した黒髪の自分。

 

 

 

 

正直、かごめの家族がいなくてよかった・・・と思った。

 

わかってはいるが、

この姿を誰彼なしに見せたくない・・・。

 

 

 

 

「どう?おいしかった?」

「ああ。」

 

 

機嫌よく鼻歌を歌いながら、

後片付けを始めるかごめの後ろ姿を

犬夜叉はじっと見つめた。

 

普段見ることはない

ひとつ結びに束ねた長い髪。

 

 

 

 

そのせいだろうか?

 

かごめの華奢な白い項がやけに目につく。

 

普段から露出の多い服装だとは思っていたが

今夜の姿はまた違う。

 

見慣れない桃の花のような色の上着と茶色い腰巻。

そして、かごめが実家で料理をするときは

必ずと言っていいほど身に着ける白い布。

それはどういうわけか、

前だけを覆っている。

 

(何つったっけかな・・・えぷ・・・何とか・・・)

 

ダイニングで熱いお茶をすすり

かごめの後姿を見ながら

そんな、さもないことを考える。

 

 

そして、やがて行き着く、ある思い・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

(もし、俺が弥勒みたいなことしたら・・・)

 

 

 

――――おすわりーーーーーーーーー!!!!!

 

 

 

(きっと言われるだろうな・・・)

 

 

 

 

 

 

だが、あまりにも無防備なかごめの後姿。

 

鼻歌を歌いながら、後片付けをしている。

 

 

 

背中で揺れる太く束ねた三つ編み。

そのせいであろう

妙に目につく項と

短い腰巻から覗かせる足。

 

そう感じたのが先だったのか後だったのか。

 

犬夜叉は立ち上がり

かごめの背後にまでやってきていた。

 

 

「お茶、飲み終わったの?漱ぐからよこして?」

 

 

返事を返すこともなく

偶然手に持っていた湯のみをかごめに渡す。

 

かごめも何も言わず、手渡されたものを

慣れた手つきで漱ぐ。

 

 

それでも犬夜叉はかごめの背後から離れない。

いや、離れることが出来ない。

 

思わず、手を伸ばしてしまった。

 

 

(いきなり・・・その・・・触ったら・・・怒る・・・か?)

 

 

僅かな理性が手の行く先を僅かに逸らす。

 

手の平をそっとかごめの腰へと・・・

 

 

 

「何?犬夜叉?」

「え?」

「なんか、デザートでもあればよかった?」

「あ・・・いや・・・。」

 

 

(お・・・怒らねぇのか?)

 

 

腰に触れた手に何も言わず

ただ振り返っただけのかごめに

拍子抜けする。

 

 

 

 

だが、触れたのがそこだったから?

違うところだったら?

 

 

 

 

ごくり・・・と生唾を飲み込む。

 

 

もう一度手を伸ばす。

そこは間違いなく

かごめの・・・臀部。

 

 

「ぁ・・・きゃあ!」

「わ!」

 

 

二人の上げた声はほぼ同時。

 

 

(言霊食らうーーーー!!!!!)

 

 

咄嗟に思いついたのは

かごめの持つ怒りの鉄槌。

 

犬夜叉は思わず目を瞑り

恐れ戦くように身を縮込ませた。

 

 

 

 

 

何もない。

 

あれ?

 

 

 

そっと目を開けてみる。

 

 

そこにいるのは確かに振り返ったかごめであったが

その顔は自分が思いもしなかった意外な表情。

 

 

「か・・・かご・・・め?」

 

 

上目遣いで頬を膨らませ

頬を赤く染めたかごめ。

 

 

「えっち!」

 

 

 

(は?)

 

 

(怒らねぇ・・・のか?)

 

 

その一言を発するともう一度洗い物のある水桶にと体を戻す。

 

 

 

『この助平法師―――――――!!!!!』

 

 

弥勒と珊瑚はこうだった。

弥勒が珊瑚の尻を撫でると毎回そうだった・・・はずだ。

 

でも、かごめは違うのか?

 

 

 

・・・怒らねぇのか?

 

 

 

正直、自分と弥勒、そして珊瑚とかごめの違いについて

考えたのはほんの一瞬。

 

間近で、しかも無防備にいるかごめ。

触っても怒られることもない・・・

 

 

――――そういや、今夜は誰もいないって言ってたよ・・・な?

 

 

僅かに残る理性もその事実の前に打ち消される。

 

 

犬夜叉はかごめの真後ろから

そっと包み込むように

抱きしめる。

 

 

(俺を拒むことはしないはず・・・)

 

 

さっきのかごめの顔はそう言っていたと思い込みは

次の行動を抑止することは出来ない。

 

 

「きゃあ!いきなり何?犬夜叉!」

「かごめ・・・!」

 

 

後ろから羽交い絞めに抱きしめ

衣服の上から膨よかな胸を鷲摑みにし

激しく揉みしだいた。

 

 

「あ!きゃあ!」

 

 

外し方のわからない白い前身ごろに手先が苛立つ。

ままならないかごめの衣服に

犬夜叉は隙を見つけるように上着の隙間に手を差し込み

勢いよくたくし上げた。

 

くの字に折れたかごめの体に覆いかぶさる緋色の獣。

 

端から見ればそうとしか思えない図であったとは思う。

 

だが、それ以上に自分の前にいる無防備な愛しい女を前にして

欲する情愛は何の咎(とが)となるだろう。

 

 

犬夜叉はかごめの腰巻をめくりあげると

見慣れた白い肌着を取り払い

足を広げた。

 

朔の夜ならではの鋭い爪もない指先は

女の秘境を弄る。

 

花弁を広げ、蕾と蜜壷の入り口へと指を這わす。

 

その度に漏れ出すかごめの熱い吐息。

 

 

そこは既に濡れ

雄の欲情を掻き立たせる匂いさえ醸し出していた。

 

 

(濡れている・・・)

 

 

それはかごめが自分を受け入れてくれることなのであろう。

 

本当はもっとじっくりかごめの肉体を味わいたかった。

白い肌、柔らかい乳房に唇を這わせたかった。

 

だが、既に自分自身さえ

もうはちきれんばかりに衣の下で隆々と勢いづけて

かごめの中に入らんとなっている。

 

犬夜叉は慌てふためく様に

袴に手をかけ、前紐を解くと

そこから自身だけを取り出した。

 

 

「・・・も・・・挿れ・・・るぞ?」

 

 

応えを待たず勢いよく蜜壷へと差し込んだ。

 

 

「ああ!あ!」

 

 

大きく仰け反ったかごめの体を抱きしめ

更に激しい律動を繰り返し

そして、

 

 

そのまま果てた・・・。

 

 

 

 

その後、犬夜叉はかごめを抱き上げ

部屋の寝床へと連れ込むと

実に纏う全ての衣服を取り払い

思うが侭、その白い肉体を貪り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この助平法師!!!いい加減に・・・!!!!」

 

 

 

 

息を荒くした珊瑚は隣にいたかごめに呟く。

 

 

「犬夜叉はいいよねー。あんな風にいきなり触ってきたりとかしないようだし・・・。」

「・・・。」

 

 

その遣り取りに思わず聞き耳を立てずにはいられない犬夜叉。

そして、それを見越したようにかごめは言う。

 

 

「そうでもないわよ、珊瑚ちゃん。」

「え?そうなの?」

 

 

意外だと言わんばかりに見開いた瞳で犬夜叉を見つめる珊瑚。

 

そして、かごめは眉間に皺を寄せ、

最後に一言犬夜叉に告げる。

 

 

「犬夜叉のエッチ!」

 

「だ!な、なんだってんだよ!!!!」

 

「ふん!」

 

 

 

 

 

 

 

だって、あの時、お前怒らなかったじゃねぇか!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

そもそも『えっち』って・・・なんだ????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

 

なんだろ、これ。

 

犬夜叉は絶対むっつりだ。

 

私的には最後の「えっちってなんだ?」という台詞を言わせたかっただけのような…^^;

こんな感じで今年も始まりました朔文(笑)

どこまで出来るでしょうかね〜。

 

こんな箸にも棒にもかけようにない駄文ではございますが

今年も宜しくお付き合い下さいませ・・・。