■2月朔夜               2009年2月25日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ん・・・あ・・・ぁあ!」

「ほら・・・もっと・・・、かごめ・・・」

 

白い柔肌を余すところなく

這いずる舌の動き

 

その軌跡を追うように

熱が帯びてくる

 

 

「やだ・・・犬夜・・・叉・・・」

 

 

膨よかな乳房は両手でしっかりと包み込まれ

重なる体の間に薄っすら滲む汗が

二つの固体を更に密着させる

 

 

「口、もっと開けよ・・・」

「は・・・ぁ・・・」

 

 

犬夜叉はかごめの顎を掴み

大きく開かせた口の中へ

己の舌を飲み込ませる

 

舌の動きは執拗にかごめの口内を犯し始めた

 

上に圧し掛かられているという圧迫感に加え

全身を隈なく舌と手によって舐めずられ

息継ぎもままならぬほどに口を大きく開けさせられた上

その中さえも愛撫の手を入れてくる

 

「舌、伸ばせ」

「う・・・ふぅ・・・ううっ!」

 

言われるまま舌を伸ばすと

犬夜叉はそれを音を立てて吸い始める

 

歯列をなぞり

口内を舌で這わせ

上唇、下唇を甘噛みし

何度となく繰り返す

 

 

かごめの口元を中心に

思う存分味わった後

犬夜叉の頭がそのまま

ゆっくりと下へと下がっていく

 

握り締めるかというような

手のひらに収めていた乳房の頂点を

交互に口へと運び

弄ぶかのように吸い付き、転がし

時には軟らかく噛み付く

 

その度にかごめの頬は高揚し

熱い吐息を吹きかける

 

 

「・・・やだ・・・もう・・・許し・・・て・・・」

「まだだ・・・こんなもんじゃねぇ・・・」

 

 

下に横たえた陶器のような白い肢体に

幾つもの紅い華のような痕をつけ

容赦ない愛撫を落とすには

犬夜叉にとっても理由があった

 

 

 

 

 

 

 

 

時遡ること数刻前

まだ夕日が沈む前

 

日中突然やってきた旋風に

かごめは瞬く間に連れ浚われた

 

当然、犬夜叉は憤慨したが

妖狼族の頭でもある鋼牙の足に追いつくことは

到底不可能、無理難題

 

弥勒が言うには

「かごめ様に無体なことを強いるような奴ではない」

珊瑚が言うには

「たまにはかごめちゃんにも息抜きが必要じゃない?あんたのお守りばかりでさ」

七宝に至っては・・・

 

これ以上は割愛しておこう

結論的に言えば「以下同文」であることには変わりはない

 

いずれにしても

今ここに誰一人として

犬夜叉の味方はいなかった

 

よりにもよって

あの「痩せ狼」にかごめが連れ去られたにも係わらず

焦りどころか

逆に犬夜叉が宥められる始末

 

夕日が山影に身を潜める前に

二人は帰ってきた

 

かごめは突然の彼の行為に

最初は驚いたものの

帰りには笑顔で帰ってきた

 

鋼牙も犬夜叉にはまるで目もくれず

「じゃ、またな!かごめ!」と

再び旋風となって去っていくから

犬夜叉も何一つ文句なぞ言えず仕舞い

 

 

 

 

やがて、夜の帳と共に

かごめを弥勒達のもとから

引き剥がし

山小屋へと連れ込んだ

 

 

「彼ね、私にお花畑を見せたかっただけなのよ」

「お前の体中、気に入らねぇ匂いだかけじゃねぇか!」

 

 

犬夜叉と鋼牙とは犬猿の仲ならぬ

犬狼の仲

 

されど二人は不思議とどこか

お互いを認め合うかのような

信頼という見えない絆がないこともない

 

それにしても

やはり許せないのは

かごめに対する態度、行為

 

時折やってきては

手を握ったり抱きしめたり

 

それも弥勒や珊瑚達の目の前で

 

 

 

分かり合う男二人の友情などと

臭いことなぞ口には出せない

 

だが、これとそれとは全然違う

 

颯爽と消えていった鋼牙への怒りの矛先

 

かごめに染み付いた嫌な匂い

 

 

 

 

「こうなったら、俺が全部消してやる!」

 

かごめを山小屋に押し込めると

否応なしに衣服全てを剥ぎ取った

 

朔の夜とて、二人が重なることは

自然であることも承知のかごめだったが

流石にここまで荒息を立てている彼を目の当たりにすると

尻込みするのも当たり前

 

そんなかごめの態度も面白くない

更に頭に血が上る犬夜叉

 

嫌なのか?

嫌じゃないなら

なぜ身を引く?

 

 

かごめの全身をじっくり舐(ねぶ)る

 

やがて行き着く秘境の最奥へ

己自身を勢いよく貫くも

それでもまだ飽き足らず

 

 

幾度となく突き上げられ

悦の頂点へと誘(いざな)われる

 

 

 

ここまでくるともはや拷問にも近い気がしてくる・・・

 

 

 

朦朧とする意識

精根尽き果て

四肢動かすことさえままならなくなった頃

 

今だ己の上に被さり

恍惚とした眼差しで

ひたすら腰を動かす犬夜叉に

何やら怒りが込み上がる

 

 

(このままでは私が壊れちゃう!!)

 

 

「ね・・・ねぇ・・・」

「なん・・・だ?」

「犬・・・夜・・叉・・・」

「なん・・・だよ?」

 

 

 

 

 

 

「おすわりーーーーーーーーーー!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

黒髪の少年が

山小屋の床を突き破り

地面にと突っ伏した

 

 

 

案の定、かごめは足腰が立たなくなり

暫く旅はできないと

実家にひとり帰ってしまったことは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

 

ロマンチックな話を・・・と思ってはみたものの

よりにもよって、最終回収録単行本が出たばかりの最初の朔が「これかよ」←

 

などと、自分で突っ込んでもしてみたり・・・