■4月朔夜               2009年4月25日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つい先ほどまで晴れていたはずの空が

いつしか鉛色の雲を従え、

雨粒が帳と共に落ち始めた

 

 

(あ〜あ、降ってきちゃったな・・・)

 

 

黒髪の少年は小屋の片隅で

一人膝をついて寡黙に佇んでいる

 

かごめは火の気もない囲炉裏を前に

僅かながらに溜息を漏らした

 

 

ここ数日晴れていたせいか

暖かかった

それが今夜は、

この雨に見まわれる

それがやけに肌寒い

 

腕を抱きしめ

ぶるりと震えるかごめを

犬夜叉は黙ったままでも

目を離すことはなかったのか

見逃すことをしなかった

 

 

「寒いか?」

 

「え?あ、うん。少し・・・ね」

 

「そっか」

 

「・・・・・」

 

 

静かに立ち上がる犬夜叉

そっとかごめの脇へと腰下ろす

 

 

「もっと寄りかかれ」

 

「え?!」

 

 

臆することもなく

かごめの肩を抱きしめ

華奢な身を包み込む

 

普段は銀の糸を思わす黒髪さえも

かごめを包み

優しく暖める

 

 

「あったかい・・・」

 

「なら、いい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沈黙だけが流れる

二人だけの小屋の中

 

 

(今日は・・・しない・・・のか・・・な?)

 

 

思わず過ぎる

 

 

(犬夜叉もずっと目を閉じたままだし・・・)

 

 

ちらりと横目で見やるも

やはり動じることもなく

片足を立て

息さえも聞こえぬほど

 

静かにただ抱きしめている

 

 

「ん?どうした?かごめ」

 

「え?ううん!なんでもない」

 

「なんだよ?」

 

 

かごめの視線に気づいた犬夜叉は

やはり何事もなかったかのように

また長い睫を静かに伏せた

 

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かごめ・・・」

 

「え?何?・・・きゃあ!」

 

 

暫くの沈黙の後

犬夜叉はすっかり温まったかごめの体を

腰を持って横たえた

 

 

「な、何?犬夜叉?」

 

「・・・・・」

 

「・・・犬夜叉?」

 

「期待してた・・・か?」

 

「!!!」

 

 

手のひらをそっと胸へと当てる

早鐘のような鼓動がそこへと熱と共に

伝わるのではないだろうか

 

そんなことさえ思いついてしまう

 

 

 

 

今、ここでなんの虚勢が意味を持つ?

 

彼はただ純粋に自分を暖めてくれた

 

黙って抱きしめてくれた

 

 

 

 

愛してる

 

 

 

言葉はない

 

 

 

あるのはただ・・・

 

 

 

ふたつの体が引き寄せる

思いと若さという余情とでもいうべきか

 

 

無言のまま見つめあう二人

 

犬夜叉はかごめの唇を

己の舌で塞ぎ始めた

 

手はいつしか慣れた形の

豊満な乳房をゆっくりと揉みしだく

 

 

「あ・・・ん・・・!」

 

 

熱い吐息と共に漏れる声

 

 

かごめの短い腰履きの中へと

手を滑り込ませる

 

そこは白磁器の肌の息遣いよりも

熱く激しい熱の篭った秘境

 

 

「したかったのか?」

 

「な!」

 

「・・・したかったのか?」

 

「・・・・うん・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

何がかごめを素直にさせたのか

 

小屋の外では

ただ雨が地面に叩きつけている

 

 

 

かごめは犬夜叉の上にと

重なると

徐に唇から首筋

襦袢を剥ぎ

鎖骨へと舌を滑らせる

 

悦に浸る犬夜叉の表情を時折見つめ

更に続ける

 

 

「こんなの・・・嫌?」

 

「嫌なわけ・・・ねぇ・・・」

 

「よか・・・た・・・」

 

 

普段であれば

犬夜叉がかごめの体を貪るかのように

食いつくが

今夜のかごめは何か違う

 

 

今、彼の上にいるのは、かごめ

彼に無情の愛撫を落とし込んでいるのは、かごめ

 

 

 

 

だが、そうそうかごめの行為だけに

甘んじる犬夜叉でもない

 

犬夜叉はそっと腰紐を緩めると

そこから天へと仰ぐ

隆々とした自身を取り出し

かごめの顎へと手をかけると

そこへと導いた

 

 

乞われるがまま

口淫をするかごめにしばし見とれる犬夜叉は

やがて、彼女の腰を己の顔へと跨がせる

 

衣服全てを剥ぎ取り

月明かりのない

雫の光だけが頼りのような

頼りない明るさの中

かごめの秘所の滴りを

ざらついた舌でそっと掬い取る

 

 

「・・・あ・・・!」

 

 

互いの下腹部に顔を埋め

より高く快楽の階段を駆け上る

 

 

 

 

 

 

「駄目だ・・・我慢ならねぇ!」

 

「来て・・・!私も・・・欲し・・・、ああ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の夜に言葉など要らない

 

そんなことを感じながらも

行為を終え

ゆっくりと目を閉じる

 

 

次に目を開けたとき

きっと雨は上がっている

 

 

 

 

まだ、旅は終わらない

 

 

 

二人の旅路に終わりは

ない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

 

留美子先生の新連載が始まりましたが、相変わらず

駄文を上げさせていただきます。。。。(_ _)σ‖

 

行為の前に言葉など要らないっていうシチュありますよね?

(誰に問いている?)

 

さて、この朔文って需要ってあるのでしょうかね・・・

もっとも自己満足ではありますが・・・

 

朔の夜とか皆どうやって知るんだろ?とか

次回は・・・どうしよ・・・