■5月朔夜               2009年5月24日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あーーーーーっつい!!!!!!!』

 

「・・・犬夜叉・・・」

 

 

今夜は特に蒸し暑い

 

朔の夜のためと入り込んだ廃屋

 

外では弥勒や珊瑚達が

火を囲んで休みを取りながらも

番を張っていてくれている

 

意外にもここ数日妖怪は大した動きもなく

とりあえず朔の姿を晒すことのできない犬夜叉を

廃屋へとかごめと二人押し込め

夜明かしをすることにと相成った

 

だが、なんにせよ暑くてたまらない今宵

 

人間である犬夜叉も少し前ならば

さんざ文句を挙げ

人目を避けるか

はたまた「人間でも俺はやれる!」と威勢を張ったことだろう

 

しかし・・・

 

 

「犬夜叉・・・、気兼ねしなさすぎ・・・」

 

 

一応、『犬』故か

上半身を纏う衣をすっかり脱ぎ捨て

大の字になって床へと転がっている

 

 

「あぢぃ〜〜〜」

「犬夜叉・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くすると「ん?」

 

教科書を読んでいたかごめは耳を澄ますと

何やら寝息らしきものが聞こえてくる

 

以前の彼だったら絶対あり得ない

だが、今は違うのだろう

 

弥勒や珊瑚達に安心して身を任せられるのだろう

 

黒髪の少年は半裸のこともあるが

それはそれは心地よさそうに

寝息を立てている

 

 

その姿を暫く眺めていたかごめは

ふと思いがけないことを脳裏に過らせた

 

 

 

(なんか、目がいっちゃう・・・)

 

 

 

逞しい、その胸板

そこに何度、己の頬を埋めたことだろう

 

規則正しく上下するその部分

 

 

 

(触りたい・・・)

 

 

 

かごめはそっと指を差し出し

その上下する胸板へと押し当てた

 

 

 

(堅い・・・)

 

 

犬夜叉は目を覚ます様子は見られない

 

かごめはそっと唇を押し当てた

 

 

微かに感じる男の匂い

 

この胸に私は何度も抱かれているんだ・・・

 

 

そう思い始めると

そのときの情景が頭を駆け巡り

留まる事ままならなくなる

 

 

下腹部が熱くなる

何かが息を吹き返したかのように

脈打ち始める

 

 

(やだ!あたしったら、もしかして・・・!)

 

 

そんなことを考えているうちに

犬夜叉の体にと覆いかぶさった己の髪の一房が

彼の顔へと垂れ下がった

 

 

「・・・んあ?」

「あ!」

「・・・」

「お、起きちゃった?」

「・・・かごめ・・・」

 

 

その体勢は言い逃れのできない状態

何せ、半裸の少年の胸板に

唇を落とし

その寝顔を見つめていたのだから・・・

 

 

「かごめ・・・」

「な、何?」

「・・・」

「・・・」

「したかったのか?」

///!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬夜叉はかごめの腕を引くと

己の体を跨らせた

 

下から見上げるかごめの顔は高揚し

瞳を伏せている

 

 

「脱げよ」

「え?」

「ほら・・・」

///!」

 

 

犬夜叉はかごめの纏うセーラー服の上着を

たくし上げ、中へと手を差し込む

 

かごめももう嫌とも言えない状況

 

 

微かに恥じらいを残しつつ上着を脱ぐ

豊満な乳房が白い布に覆われ

腕を上げた拍子に大きく揺れる

 

犬夜叉の手が肩に掛かる紐を下ろし

その中を取り出すかのように

布を押し下げる

 

双丘の頂点は既に固く紅い

 

逞しい手のひらがそれをついばむように

弄び始めると

彼の上に跨るかごめの躯は

熱い息を漏らしながら

しなやかに左右へと揺れる

 

 

「あ・・・あぁ!」

 

 

暫く味わう柔肌をふいに押し倒し

強引にも下半身に残された衣服を剥ぎ取る

 

 

「あ・・・!犬夜叉!」

「・・・そんな顔されっと・・・余裕なくなる・・・だろ・・・」

 

 

目が覚めてから

さほどの時間もなかった

 

濃厚な前戯があったわけでもない

 

ただ、かごめが自分を求めてくれた

 

それだけでも若き肉体は

激しく反応を示してしまう

 

それは、かごめも同じだったことを

茂みの奥へと指を差し込んだときに知る

 

 

「すげ・・・、溢れてる」

「や!言わないで!」

 

 

犬夜叉は再び仰向けになると

先と同じようにかごめを跨られる

 

 

「自分で挿れてみな」

「ええ?!」

 

 

跨いだ場所では

既に犬夜叉の隆々とそそり立った雄の象徴が

先端を薄く光らせて

本懐を遂げる瞬間を待ち構えている

 

 

「あ、・・・あたし・・・」

「ほら・・・」

 

 

かごめの手を取り

自身のところまで導く

 

そっと握らせ

その後の行動をじっと見守る

 

意を決したかごめは

薄く目を細め

更に頬を紅く染め

自分では見ることのない

秘境へと腰を上げつつ

そして、差し込んでいく

 

入り口から沈み込んでいく

彼の分身

深く入るにつれ

息もまた深く熱く・・・

 

 

その行為だけでも既に軽い締め付けを感じる犬夜叉も

眉間に薄い皺を寄せつつ

快楽の入り口へと引き込まれた

 

肉壷の内側の熱さ

自身の硬さに呼応する潤い

 

そして、何よりも

真上に見る

自分しか知らない

『女』のかごめ

その美しさ

 

自分から何も言わずしても

自分を欲してくれた

 

 

――――俺だけが欲しいって思ってるわけじゃないんだ

 

 

やがて、刀が鞘に納まるが如く

全てを沈み込ませると

そのときには、かごめは既に上半身を支えるのも

やっとの状態となり

その瞳には、どこか恍惚とした

涙混じりの光が薄っすらと輝いていた

 

 

それでも彼は言う

いや、こんな夜、こんな経緯であったからこそ

求めてしまう

 

 

「言えよ・・・」

「・・・ん・・・あん・・・な・・・何・・・?」

「『欲しい』って言えよ」

 

 

その間にも軽い律動がかごめの躯を上下にと動かしている

もどかしい快感が下腹部にと突きあがるも

それはまだまだ頂点には程遠い

 

 

「『もっと欲しい』って・・・言ってくれ」

「・・・や・・・ああ・・・」

「じゃなきゃ、このまま朝までいるか?」

「え?」

 

 

どこか悪戯な目でかごめを見つめる

 

試すわけではないが・・・

 

 

 

それでも聞きたい

その口から声を貰いたい

俺だけが欲しがっているわけじゃないことを

今、お前の口から・・・

 

 

 

「一度でいい・・・言ってくれ・・・」

「犬夜叉・・・あ・・・」

「かごめ・・・」

 

 

そういうとかごめの頭に手を回し

ぐっと自分の口元へと引き寄せ

己の唇へと深く重ねる

 

 

息づきの間を取るかのように

その唇を離し

互いに目と目が合ったとき

 

かごめは小さく呟いた

 

 

 

 

 

 

「・・・犬夜叉・・・が・・・欲しい」

 

 

 

 

つい気が緩み、うたた寝をしていた矢先の

思わぬ出来事

 

 

瞳を開ければ

かごめが熱い眼差しで見つめていた

 

己を欲しいと言ってくれた

 

 

それだけでも

ただそれだけでも・・・

 

 

かごめの言葉を皮切りに

この上ない激しい突き上げを

かごめの細い肉体へと叩き込む

 

 

「ああ!いや!い、犬夜叉ぁ!」

「ぁ・・・く・・・かごめぇ!」

 

 

 

 

 

 

 

今しがたまでの蒸し暑さなど

感じぬほどに

殊更熱く重なり合う

今宵、朔のある夜のこと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

 

今月もやってきました朔話、いかがでしたでしょうか?^^

男ってのは、暑いーってすぱーんて上着脱いでゴロンってしますよねー。

そんなこと思ってたら思いついたお話でした。

また次回お会いできるようできたらいいな、と思いつつ。

 

ここまで読んでくださってありがとうございました。

 

ああ〜、たまには変態チックなものもどうなんでしょうね〜・・・

私は好物ですが(笑)