■10月朔夜 特別編 ― 悋 情 その後 ―          2009年10月18日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてはて握り締められた己の一部分をどうしたらいいものだろうか考える

 

(このままじゃ俺が辛すぎる・・・)

 

犬夜叉はそっとかごめの指を一本一本剥がしていく

どれほど温もっていたかは知らないが

いずれにしても、この眠りを妨げることだけはと思っての所作

 

己の固くなっていた部分から手が離れると

俄かに開放感を感じるのか

その先端が己のほうへと向きを変えた

 

「・・・・・」

 

つまり、収まりがつかないのだ

 

 

 

犬夜叉は深い溜息をつきつつ、かごめを見つめる

ほのかに酒の匂いを帯びた息遣い

頬まで何やら赤らめている

 

その気がないのだろうが

だが、それさえももはや扇情的な仕草となって

犬夜叉の下腹部を激しく脈打ちさせる

 

 

(こうなったら!)

 

 

意を決した犬夜叉は己の袴の中へと手を差し込み

収まりつかないいきり立つ熱い逸物を握り締める

 

直に触れるそれはよもや弾き飛ばさんとまでにと膨れ上がっている

 

 

(なんで寝てるのに・・・!)

 

 

なぜか虚しさを感じないでもないが

それ以上に収まりどころを持て余した己の一部分に

神経を集中させる

 

手が動く

すべるように掻き扱く

 

いつの間にやら先端から蜜が指先を濡らす

 

 

「・・・あ・・・はぁ・・・」

 

 

足の爪先を伸ばし、感覚を集中させる

脳内に巡るは、かごめと交わったときの感触

 

吸い付くような柔肌

立ち込める汗の匂い

 

そして、繋がったときのあの締め付ける肉壁

 

犬夜叉は思わず手に力を込め

更に扱く手を早めた

 

 

「・・・は・・・あ・・・!」

 

 

己の感情が昂ぶる

 

すぐ脇には寝息を立てるかごめがいる

 

 

今更だろ

何を迷う?

俺達は何度もしてきただろ

 

 

心の奥底で何かがざわめく

 

 

犬夜叉は己自身を掴んだ手をそのままに

かごめの胸元へともう片方の腕を伸ばした

 

昂ぶる感情とは別の緊張感が走る

 

 

いいよな?

ちょっとくらい・・・

ちょっと触るくらい・・・

 

 

衣服の上から手をそっと宛がう

布地を通してでもわかる張りのある膨よか乳房

 

(やわらけぇ・・・)

 

一度堰を切った感情は留まることを知らない

 

犬夜叉はさらに胸元の襟の合せから手を差し込み

奥へと仕舞われている小さな蕾を探り当てる

 

 

「・・・ん・・・」

 

(わわわ!!!!)

 

 

手を戻す動きも出来ないほどの緊張が走る

寝返りをうつかごめに思わず袴の中の手の動きも止めてしまった

 

 

(駄目だ・・・どうにもならねぇ!)

 

 

一度知ってしまった悦の感覚

己だけでは処理しきれない

 

と、ゆとりのない今の自分の中で結論を急ぐ

 

 

(よし!)

 

 

犬夜叉は立ち上がった!

 

袴を脱ぎ捨てた!

 

隆々と立ち上がった逸物

いざ参らんと反り返るほどにまでに天を仰いでいる

 

足元を見れば

愛しい女が無防備に寝息を立てている

 

 

犬夜叉は生唾を飲み込みつつも跪き

かごめの袴の紐を手にかけた

 

音立てることなかれと静かに静かに紐を引く

 

戒めを失った袴をゆっくりと取り外していく

 

 

「・・・・・」

 

 

こ、これは!!!!

 

 

太股まで袴を下げたところで気がついた

普段、短い着物を履いているとき

時々見えるあの白い布

 

やけに肌に張り付いて最初脱がすのに何度も難儀した覚えがある

 

 

(なんだってこんなときにーーーー!!!!!)

 

 

思わず頭を抱え、体を仰け反らせた

 

この最後の砦を越えなければ

己の自身は行き場を失う

 

 

「かごめ・・・」

 

 

今宵だけの黒い瞳が大きく見開く

 

 

「そうだよ・・・、お前が最初にけしかけただ」

 

 

「お前が俺のを握るから・・・」

 

 

あんなんされちゃ、誰だって・・・」

 

 

低い声で呟く

もはや理性など何処に知れたことか

 

 

「かごめ!」

 

 

犬夜叉は叫ぶと最後の難所だった砦を袴ごと一気に下げ下ろした

 

 

「ん・・・な・・・」

 

 

ここにきてようやくかごめの目が薄く開く

 

 

「何?・・・どうしたの?犬夜・・・」

 

 

言葉を失った

 

気がつけば下半身の衣服は取り払われ

大きく開かされた足の間に犬夜叉が己の逸物を握り締めて

そこにいた

 

 

「・・・きゃっ」

「かごめ・・・!!!!」

 

 

かごめの悲鳴とその名を呼ぶ声が重なる

 

 

「や!犬夜叉!ちょっと!!」

 

 

俄かに信じ難い状況にかごめが激しく身じろぐも

真上に覆い被さってきた男の力に勝るものはない

 

目を覚ましたことを機に犬夜叉は一気に行動を起こし始めた

 

己の逸物をまだ濡れもない秘所へと押し付け

中へと差し込んでいく

 

それと合せてかごめの着物を一気に剥がし

曝け出された胸元へ顔を埋め

膨よかなる乳房の感触を貪るように味わい始める

 

 

「や!いや!犬夜叉!ちょ・・・待・・・っ!」

「もう待てねぇ!」

「やだ!・・・痛・・・!」

 

 

宛がった逸物が一気に推し進められた

蜜のない奥底を覆っていた花弁さえも巻き込むかのように

強く捻じ込んだ

 

その引き攣る感覚にかごめは否を唱えるも

もはや犬夜叉の耳には届かない

 

 

「や・・・あ・・・!はぁ・・・!」

「・・・く・・・ふ・・・んん・・・!!!」

 

 

激しく行交う雄の象徴

 

 

「ああん!・・・あ!はぁ!・・・ああぁ!!」

「・・・は!・・・っく!」

 

 

どれほどの昂ぶりだったのか

思いのほか時間は掛からなかった

 

 

 

 

 

 

 

「もうなんだっていきなりするのよ!人が寝てるのに!」

「ば!お前が俺のを握って寝てるからだろうが!」

「し、知らないわよ!そんな寝てるときのことだなんて!」

 

 

 

そんな言葉の遣り取りの後

落ち着き払った口付けが交わされる

 

 

変な夢を見た気もするが

やはりかごとこうしているのが一番いいと

痛感した朔の夜

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱ悪りぃよな、寝てるのによ

「そうよ、犬夜叉」

「今はもう起きたよな」

「え?」

「今度はお前を満足させてやるぜ!」

「い、犬夜叉・・・!!!きゃーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

 

男ってのは下半身に意識が行くともう脳みそなんて関係ないような気がするのは自分だけでしょうか???

 

今度で最後だ、もう終わりにしようと思いつつ、つい書いてしまう駄文にお付き合いくださる方

全てに感謝いたします。本当にありがとうございました。

 

       梶