■12月朔夜                      2009年12月16日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・かご・・・め・・・」

「んん・・・はぁ・・・あん!」

「・・・っ!」

 

 

暗闇が支配する、ある一室

 

汗ばんだ鋼の肉体が白く細い、

それこそ力のひとつでも入れたら

軽い音を立てて折れてしまいそうな

柔肌の肢体を抱え込み

ある一点に神経を研ぎ澄ませながら

荒々しい息遣いと共に幾度となく杭を穿つ

 

 

「あ・・・やぁ・・・もう・・・犬夜叉ぁ!」

「かごめぇ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朔の夜、かごめとともに現代へとやってきた犬夜叉は

そこに家族が誰もいないことを知った途端

かごめを押し倒し

夢中になって、かごめの躯を貪った

 

挿し込んだ己の熱い塊が

さらに熱を持った蜜溢れる内壁の感触を

思う存分に味わうが如く

無遠慮に進退を繰り返す

 

やがて、かごめの中で蠢く肉壁が

一段と強い窄まりを喘ぐ声と共に

感じた瞬間

犬夜叉も大きく仰け反り

最奥まで杭を貫き

有り余るほどの思いの丈を注ぎ込んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なぁ、かごめ・・・」

「ん・・・」

 

犬夜叉は力なく己の腕の中で

激しかった行為の後の

独特の余韻、虚脱感に見舞われた

かごめの顔を覗き込んだ

 

犬夜叉は鼻を擦り付けるように

かごめの頬へ顔を寄せ

掠れた声音で愛しい名を口ずさむ

 

 

「かごめ・・・おい・・・」

「何?・・・犬夜叉」

 

 

犬夜叉の声に応えるも

伏せた瞳はそのままで

今にも眠りに落ちるかの様子

 

だが、犬夜叉はなおも言葉を続けた

 

 

「もう一度・・・いいだろ?」

「え・・・?」

「もっと、だ・・・」

 

 

優しい声とは裏腹に

犬夜叉はかごめの下腹部へと手を伸ばし

今しがたまで繋がっていた

女の秘所へと指を挿し込んだ

 

力なく閉じた足に己の膝を割り込ませ

かごめの真上に覆いかぶさると

いつの間に隆起していたのか

再び熱帯びた杭を

秘所のすぐ傍まで宛がい

かごめの諾の言葉を待ち構える

 

 

「なぁ、かごめ・・・」

「・・・・・・」

「もっと欲しい・・・」

「・・・・・・」

「足りねぇんだ・・・かごめ・・・」

 

 

犬夜叉は既に先走り、薄っすらと光る先端を

推し進めようと握り締め

茂みに隠れ潜んだ女の入り口を弄り始めた

 

 

「や・・・犬夜叉・・・!」

「まだ濡れてるだろ・・・」

「いや!お願い・・・」

「・・・・・」

 

 

否を唱えるかごめに

犬夜叉は軽く口付けしつつ

その理由を問いた

 

 

「するのは、嫌・・・なのか?かごめ」

 

 

そんなはずはない

今しがたまで激しく愛し合った交わり

 

確かにかごめと共に

現代のこのやさしい匂いに包まれている

部屋へとやってきた

偶然とはいえ、今夜はかごめの家族は

どこかに泊りがけで出掛けていると聞いた途端、

遠慮なく事へと持ち込んだ

 

少なくとも、そのときかごめは

今ほどの抵抗など微塵も感じなかった

 

だが、今は身を固め否を唱えてる

 

 

「かごめ・・・」

「・・・・・・」

「嫌なの・・・か?」

「だって・・・」

 

 

かごめは口元に手を宛がい

小さく口篭る

 

 

「ねぇ、犬夜叉」

「なんだ」

「あたしって・・・、その・・・」

「?」

「あたしって下手?あまり・・・気持ちよくない?」

「はぁ?」

 

 

何がどうすればそういう疑念が沸き起こるのか

 

 

「お前、何言ってんだ?」

「もしかして、あたしの体って・・・変?」

「なんでそうなるんだ?」

「だって・・・、足りないとか・・・もっとって・・・」

「・・・・・・」

「もしかして、あまり『よくない』から、もっとって言ってるのかなって・・・」

「ば!何言ってやがる!」

「だって・・・!」

 

 

そこまで言うとかごめは耳まで朱に染め

ついには手で自分の顔を覆い隠してしまった

 

 

「んなわけねぇだろ!」

「・・・・・・」

「かごめ・・・」

 

 

犬夜叉は顔を覆い隠している手を取り

少しばかり涙目になった瞳を見つめ返した

 

 

「お前、本気でそう思ってるのか?」

 

 

犬夜叉はかごめの目に溢れた涙に唇を寄せ、そっと拭う

 

 

「俺が足りないって言ってるのはな・・・」

 

 

そういいながら、かごめの乳房へ頭を預ける

 

 

――――柔らかい

 

 

「何度触れても飽きることはねぇ」

 

「お前に触れ、抱き締めてお前とひとつになる。

お前が初めて教えてくれた・・・」

 

「・・・・・」

 

「なんだろな・・・、この感覚は・・・。何度抱いても飽きるどころか、もっと・・・もっと欲しくなる」

 

「犬夜叉・・・」

 

「だが、無理強いはしたくねぇ。お前は・・・嫌なのか」

 

 

嫌なはずはない。多少の強引ささえ我儘でさえ

求められるのは女としての喜びを齎してくれる

 

だが、自分はこのままでいいのか

本当はもっと何かをすべきなんだろうか

 

犬夜叉を喜ばせてあげたい気持ちが込み上がる

 

 

「もっとあたしが・・・何かしたほうが・・・いい?」

「あ?」

「そしたら、もっと気持ちよくなるんじゃないかなって・・・」

「馬鹿だな、お前は・・・」

 

 

そういうと犬夜叉はふと笑みを漏らし、

そのまま再びかごめの中心へと己の杭を挿し込んだ

 

 

「あ!・・・はぁ・・・ん!」

「そうやって、お前は俺に抱かれていればいい」

 

 

潤いある秘所に挿し込んだ杭をゆっくりと揺らし始める

 

 

「俺の手でお前は『俺』を感じてくれればいいんだ」

「あ・・・うう・・・・ん・・・」

「お前こそ、『俺』をもっと欲しがれよ」

 

 

早まりゆく律動

かごめの口から漏れてくる熱い吐息

 

 

「俺に・・・感じてるんだろ?」

 

 

徐々に勢いを増す腰の動き

肉と肉が合わさる音、というより叩きつける音が部屋中に響き渡る

 

 

「あ・・・や・・・犬夜叉!」

 

 

かごめは勢い増す腰の揺らぎに

犬夜叉の背に回していた手に力が入り、

爪を立てしがみ付く

 

 

「感じろ、かごめ!俺に・・・もっと俺に・・・!」

「は・・・あ・・・!」

「かごめ・・・、かご・・・め・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

互いが互いを求めるのに理由などありもせず

 

ただひたすらに本能の赴くまま

ひとつになるべく合わさる犬夜叉とかごめ

 

 

「あたしの体が・・・いいの?」

「お前だから、いいんだ」

 

 

その言葉にかごめは薄っすらと目を細め

微かに安堵した微笑みをこぼしたのを

犬夜叉は見逃さない

 

 

「他の誰でもねぇ。お前だから欲しいんだ・・・」

 

 

 

 

 

月のない夜は更けていく

 

犬夜叉とかごめ

共に生れ落ちたままの姿で

心行くまで交わる朔の夜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

 

犬君はきっと一回では終わらないだろう。と思ってたらできちゃった今回。

クリスマスとか正月とかイベント多々ありますが

この二人にはイベントがなくとも、心も下半身も遠慮なく盛り上がれることでしょう(笑)

 

今年一年、拙い作品ばかりではありましたが、

朔の夜、沢山の方々にお越しいただきまして本当にありがとうございました。

来年はどうするか未定ですが、今後もお付き合いくだされば幸いです。

少し早いですが、よいクリスマス、そして、よいお年をお過ごし下さい・・・

 

宣伝ですが、今回初めて小説をオフ本として発行いたしました。

当然、禁付です。よろしければ是非・・・♪

 

http://mosoyakyoku.web.fc2.com/20091122-ivent-joho.html

       梶