■5月 朔                        2010年5月13日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・もう、いいか?」

「・・・ん・・・は・・・ぁ・・・」

「・・・かごめ・・・」

 

 

耳元で囁く低い声

 

重なり合った躯の上、

弾けるように転がる無数の汗の雫

 

 

犬夜叉はかごめの肉体を余すところなく味わいつくし

やがては、その内部へと己の一部、

熱く熱滾らす杭を推し進めるため、

かごめの耳たぶに下唇を宛がいながら

息を吹きかけ囁く

 

 

「あ・・・いや・・・あ・・・」

「返事しろよ・・・、かごめ・・・」

「ん・・・はぁ・・・」

 

 

犬夜叉は目を細めつつ、指先をかごめの中心、花弁の核を転がし続ける

 

溢れ出る透明な緩い液が指に絡みつく

 

 

「かごめ・・・」

「犬・・・夜叉・・・」

「・・・・・」

 

ふと思いついたように犬夜叉はかごめの瞳を見つめる

朦朧とした空ろな漆黒の瞳が潤んでいるのを確かめるかのように

じっと見つめる

 

やがて犬夜叉はかごめの手を取り

己の下腹部へと押し付け、

熱滾らす肉棒を握らせた

 

 

「や・・・あ・・・犬夜叉・・・」

「なぁ、かごめ」

「・・・・・」

「お前が入れてみろよ」

「え?」

 

 

肉棒を掴む手が震えているのがわかる

何度となく交わり、その感触を知っているかごめも

こうも改めて掴まされるというのは

まず皆無といって間違いない

 

熱の篭った熱い杭

 

これが己の中へと挿入される

 

わかっている

 

それからの彼、犬夜叉がどう動くかも知っている

 

だが、自らその杭を身に受けることなぞありはしなかった

 

 

「自分でやってみろよ」

 

 

なぜ、そんなことを言う

なぜ、そんなに余裕がある

 

 

訝しるかごめは身を捩り、

手を離そうとしたが、自分の手を包み込んだ犬夜叉の手がそれを許さない

 

 

犬夜叉はかごめの両足の中に膝を捻じ込み

さも意味ありげに大きく股を広げる

 

露滴る秘境が密接した二つの肉体の間で晒される

 

 

「やだ・・・、犬夜叉・・・!」

「自分で入れてみろよ」

「犬夜叉・・・」

 

 

敵わない

 

 

愛し合う男と女の中で禁忌などあるだろうか

もし、あるとすれば

それは羞恥心や含羞といった性の間にある見えない壁

 

かごめは震える手に鼓舞し力を込め

そっと己の奥にと潜む秘所へと熱く硬い塊を押し付けた

 

だが、その行為があまりにも不慣れしすぎたのか

犬夜叉は、ふと笑みを浮かべ

 

「いいのか?そこで」

「え?」

「そこじゃ入らねぇぞ」

「・・・・・」

 

 

もう一度、中りをつけ、腰を動かす

 

 

「・・・・・」

「・・・・・」

 

 

 

 

 

相手の体の一部を自分の手で受け入れることの難しさ

犬夜叉の余裕の瞳さえ、かごめには精神的にも肉体的にも圧迫される

 

 

「うまく・・・出来ない・・・よ・・・、犬夜叉・・・」

 

 

潤み、揺れる瞳

 

 

――――ああ この目だ

 

――――この目が俺を・・・

 

 

「ずるい!犬夜叉ばっかり」

「何が?」

「そんな余裕ぶっていて・・・」

 

 

不貞腐れたようにかごめは微かに頬を膨らます

 

 

「余裕なんか、あるわけねぇだろ・・・」

「え・・・」

 

 

語尾が掠れて最後まで聞き取れなかったかごめだったが

自分に覆いかぶさる犬夜叉の重みに聞き返すことは出来なかった

 

犬夜叉はもうはち切れんばかりの己の肉棒を

慣れたようにかごめの秘所に宛がうと

勢いよく貫いた

 

 

「あ!や・・・ああ!」

 

 

その瞬間のかごめの口から出る歓喜とも言うべきか発する声

 

やがて揺れ動き始める犬夜叉の腰

 

 

「余裕なんて・・・」

 

「はぁ・・・!あん・・・!」

 

「お前を抱くのに・・・」

 

「ん・・・んあ・・・ああ!」

 

「あるわけねえだろ!」

 

 

 

 

 

 

何度抱いても飽き足らぬかごめの体

だが、何が一番欲するかと問われれば

それは・・・・

 

 

どこか物欲しそうに思えたかごめの潤んだ瞳に

さらに欲情を高めた・・・などと言えない

犬夜叉だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

 

ご無沙汰しております。

スランプ続きで文章を書く、絵を書くことが全く出来ずにいた約半年間。

今回の妄想文は本当は漫画で描きたかったのですが

時間と根性がなかったので文章でUPしました。

 

犬夜叉は傍目で見ると結構俺様。

でもかごめを前にするとその一挙一動にどきまぎしてる、はず。

いっぱいいっぱい愛して戯を尽くしても

かごめちゃんの潤んだ目で「犬夜叉」なんて呼ばれたらいちころ。

あー何が書きたいんだ、私は。

 

毎回拙文を読んでくださってありがとうございました。

 

宣伝ですが、今回初めて小説をオフ本として発行いたしました。

原作最終回後の二人を描いた作品です。

・・・当然、禁付です。よろしければ是非・・・♪

 

http://mosoyakyoku.web.fc2.com/20091122-ivent-joho.html

       梶