■6月 朔                        2010年6月12日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、今日はいい天気だった」

 

 

ここ現代はかごめの部屋

窓際から大きく手を広げ

沈み行く太陽を見送るように見つめる

かごめがひとり

 

 

「犬夜叉がいるとお布団干したりできないのよね〜。

なんやかんやで邪魔ばかり。

おちおち勉強もできやしない」

 

 

かごめは、ふうと大きく息をつくと

無造作にベッドへと流れ込んだ

 

俯きに寝そべるかごめ

四肢の力が干し立ての布団から醸しだされる日の匂いで抜けていく

 

 

「気持ちいい・・・」

 

 

戦国時代では味わえないこの柔らかい布団の心地よさ

 

 

やがて、瞼が重くなり

かごめの意識はそこで途切れた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しゅる・・・

しゅるしゅるしゅる・・・

 

ばさっ

 

 

(ん?なんの音かしら?)

 

 

ギシ・・・ギシギシ・・・

 

 

(・・・・・・)

 

 

朦朧とした意識の向こうで

不可解な音が耳に入ってくる

 

かごめは重かった瞼をゆっくりと開くと

見慣れた天井、そして釣り下がっている照明器具が目に留まる

だが、部屋は真っ暗で不透明

 

 

(あー、私、あのまま寝ちゃったんだ・・・)

 

 

そこまでは理解した

だが、耳に入るこの音は?

 

 

(・・・・・・)

 

 

「お?目が覚めたか?かごめ」

「・・・・?!」

「無用心だぞ、かごめ。部屋の戸がら空きじゃねえか」

「い・・・い、い・・・?!」

「下手したら、妙な妖怪とか入りかねねぇぞ、かごめ」

「い、犬夜叉!」

「ま、俺がいる限り、守ってやれるけどよ」

 

 

気がつけば犬夜叉は衣全てを脱ぎ

かごめの真上へと跨っている

しゅるしゅると聞こえた音は

犬夜叉が衣を脱いだときの音だったのか

 

そして、その犬夜叉の手はかごめの衣服へと向けられている

 

 

「い、犬夜叉・・・・」

「妖怪は今のとこ、来てねぇから安心しろ、かごめ」

「今、ここにいるあんたが妖怪そのものなんだけど!」

「俺は妖怪じゃねぇ、半妖だ」

「そういう意味じゃないわよ!・・・おすわ・・・んん?!」

 

 

突如塞がれたかごめの口

言霊を恐れてかと言えば

むしろかごめの言いたいことに聞く耳持たずして

行為に及ぼうとした様子

 

長い黒髪の男、犬夜叉は慣れた手つきでかごめの衣服を剥ぎ取っていく

 

 

「や・・・ちょ・・・犬夜叉!」

「・・・・・」

 

 

大きな掌で弄られる膨よかな乳房

既にかごめの両足は大きく開かれ

若い茂みへともう片方の手で分け入っている

 

 

「あ・・・ああん!」

 

 

意とした始まりではないにせよ

何度となく及んできた行為に

意識よりも体のほうが素早く反応する

 

 

犬夜叉は頃合を見計らうと

「・・・挿れるぞ」とだけ耳打ちし

一度大きく腰を引くと

勢いよくかごめの中へと挿し込んだ

 

 

「あ!」

 

 

犬夜叉はかごめの肩を掴み

激しい律動を繰り返す

 

肌から零れる玉の汗が日干しした布団へと染み込んでいく

 

 

「あ・・・ああ・・・はぁ・・・!」

「う・・・くぅ・・・うう・・・っ」

 

 

やがて、双方とも快楽の頂点へと導かれ

息弾ませながらも激しい動きはそこで途切れた

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日、こっち(現代)に来るなんて言ってなかったじゃない」

「ばーか。俺がお前から離れると思うか?」

「せっかくゆっくり眠れると思ったのに・・・」

「寝てたじゃねぇか、ゆっくりと。俺は起こさなかったぞ。日が沈むまでは」

「・・・日が沈むまでの限定だったのね・・・」

 

 

大きな溜息が零れてくる

だが、犬夜叉にはその意味がわからない

わからない、というより考えてないのだろう

それは次の言葉で証明される

 

 

「もう一回しようぜ、かごめ」

「は?」

「せっかくの朔だ。爪もねぇ、牙もねぇ。思い切りできるぜ!」

「や!ちょ・・・!犬夜叉―――――!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

せっかく干した布団は干す前より湿ってしまった・・・

 

翌日、かごめは重い腰に鞭打ち

再び布団を干した

向こうに見える太陽がやけに黄色く感じるのは

夕べ朝方まで眠らせてもらえなかったせいだろうと

かごめは大きなあくびをひとつ

 

その脇では、妙にこざっぱりとした犬夜叉が

長い銀髪を風に靡かせ、悠々と部屋の真ん中で腰を据えていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【後書】

 

犬を連れての散歩中、お布団を干していた家を見ていたら思いついた朔文(笑)

私は何を考えて散歩しているのでしょう(^^

ええ、脳内腐りきっております、はい。

「妖怪じゃねぇ、半妖だ」かごめちゃんにはすらりと言えるこの台詞を言わせたかった。

今回はあまりエロちくなくてすみません・・・(今回も、かな?どきどき)

 

毎回拙文を読んでくださってありがとうございました。

 

宣伝ですが、今回初めて小説をオフ本として発行いたしました。

原作最終回後の二人を描いた作品です。

・・・当然、禁付です。よろしければ是非・・・♪

 

http://mosoyakyoku.web.fc2.com/20091122-ivent-joho.html

       梶