闇夜に溶け・・・                        2006.11.6

 

 

 

 

 

 

 

なんだろう・・・

 

さっきまでいたはずの七宝ちゃん・・・どこいったのかしら・・・?

 

 

「・・・・・・。」

 

かごめは、薄っすらと目を開け、まだ明けぬ闇夜に目を凝らした。

 

 

(トイレにでもいったのかな・・・、って、あれ?)

 

 

寝袋に包まれていたはずの体に、どこぞから

すうすうと風が流れ込むような空気の流れ。

 

 

え・・・?何・・・・?

 

 

チー・・・・・

 

 

寝ぼけた眼の下に、蠢く何か。

それは、白い・・・というか、その何かと濃く黒い生き物が、かごめの寝袋の上に跨ぐように圧し掛かり、

身を包んでいたファスナーを静かに下ろしていた。

 

「・・・・・?」

 

かごめは、ようやく我に返るように目を見開き、

自分の身に起きている事象は何であるか、様子を窺いながら

視線をそっと上に向けてみた。

 

・・・闇夜に光る金の瞳と目が合う。

 

「・・・・・。」

 

「・・・・!犬・・ぐっ!」

 

かごめの声は、咄嗟に押さえつけられた長い爪を持つ手によって阻まれた。

 

「んんん、ん・・・・!」

 

「し!」

 

「・・・・・・。」

 

目の前にぬっと突き出された金の瞳の主は、

かごめの口を手で押さえつつ、なおもファスナーを下ろす。

 

チチー・・・・

 

「・・・・・!」

 

 

 

犬夜叉は、かごめの体を黙って寝袋から引きずり出す。

 

そのまま、かごめの体を抱き抱え、まだ仲間が野宿し、

寝静まっているその場所から、物音を立てぬように、

さっと立ち上がるとり、木々を跨ぎ、瞬く間に跳躍した。

 

(・・・どこに行く気なの?!)

 

かごめは、犬夜叉の手で口を塞がれ、身動きひとつ取れないまま、

ただ為すがまま、犬夜叉の腕に抱かれ、闇夜へと消えていった。

 

 

 

 

月明かりに銀の髪が白い絹糸を流したように、きらきらと輝いている。

 

その顔の真ん中にある金の瞳もまた月の光りを反射し、

時折、腕の中で黙ったまま蹲るかごめの顔に目をやりながらも

何か真剣な面持ちで森の中を駆け巡った。

 

 

 

 

 

 

暫くして、到着したのは、もはや仲間などどこにいるのか、

まったく検討もつかぬほど遠い森の中。

 

かごめは、不安げに周囲を見渡し、犬夜叉の体にしがみ付いた。

 

もちろん、森の中が怖いわけではない。

犬夜叉と一緒にいて今更出くわす妖怪に怯えることなど、そうそうありはしない。

 

が、しかし。

 

いきなり、寝ていたところを無言のまま連れ去られ

見知らぬ森の奥地へと夜の夜中に連れられ、

不安がないはずはない。

 

かごめは、犬夜叉にしがみついたまま、恐る恐る尋ねた。

 

「・・・ねぇ、ここどこ?どうして、こんなところに?」

 

仲間のところから連れ出されたとき、手で抑えられていた口は既に開放されてはいたが、

その手は、いつの間にかかごめの腰に宛がわれ、自分の体に寄せるように

固く掴んでいた。

 

「ねぇ、犬夜叉・・・?」

 

もう一度、不安げに顔を見上げる。

 

湿った土がかごめのローファーの底を、ずるっと滑らせ、

「きゃっ!」としがみ付いていた緋の衣に力を入れた。

 

「足元、ぬかるんでるぞ。」

 

犬夜叉は、かごめの体を張り出した木の根元へと、そっと乗せると、

正面に立ち、かごめの顔をじっと見つめた。

 

「・・・何?一体どうしたの?犬夜叉・・・?」

 

「かごめ・・・!」

 

犬夜叉は、いきなり、かごめの背を木の幹に押し付けた。

 

「あ!・・・きゃぁ!」

 

膝と膝の間に自分の足を割り込むように捻じ込み、かごめの体を押さえつけた。

 

そのまま、勢いよく唇を寄せ、吸い付いた。

 

「んん・・・!」

 

口に押し入ってくる、ぬるっとした感触が絡み付いてくる。

 

「ん・・・、んんんん・・・!」

 

犬夜叉は、重ねた唇をそのままに、かごめの片足を自分の腕にかけ、

そのままぐいっと持ち上げた。

 

「あ!・・・きゃあ!」

 

その姿勢に思わず、緋の衣を両手で掴むと

木から落ちるまいと犬夜叉の肩にしがみ付いた。

 

「ちょっと!何考えてんのよ!」

 

「もう我慢できねぇ!今すぐだ!」

 

耳元で囁くどころか、既に息が荒く熱い息がかごめの耳に入ってくる。

 

(い、今すぐって・・・!)

 

「あ!・・・あ!いやぁ!」

 

かごめの体は、犬夜叉の硬い胸板と木の幹に挟まれ、

身動きがままならない。

 

犬夜叉は、そのまま、かごめの服の上から乳房を鷲掴みに揉み始めた。

 

あまりにもの勢いに押されつつも、犬夜叉の背に手を回し、

押さえつける背を叩き、必死にもがく。

 

「だめだったら!こんな・・・とこでなんて・・・!」

 

「落とさねぇよ!・・・肩にでもしがみ付いてろ!」

 

そう言い放つと、犬夜叉は制服の前を広げ、

白い下着をぐいっとずりあげた。

 

「あぁ!」

 

露になった乳房の先端部に激しく吸い付かれ、

その蕾に走る軽い痛みがかごめの吐息を洩らした。

 

肘に抱えられた足を更に上にあげ、すり込むように押し付けられる

下半身に硬いものが内腿に感じる。

 

「あ!・・・いやったら・・・!あ!」

 

犬夜叉は、かごめのショーツを太腿まで下げると、

その手を花弁の中心へとまっすぐに弄った。

 

勢いに反して、そこは既に蜜が浸り始め、

いつしか、かごめ自身も肩を掴んでいたはずの手を

犬夜叉の首に回し、頬を高揚させ、その目は潤み始めていた。

 

「もう・・・、いいか?挿れても・・・いいか?」

 

「あ!・・・いや!」

 

ただ潤いを求め、弄り続ける指の動き。

 

「今すぐ挿れたい!」

 

犬夜叉の下半身は限界寸前だったのか、

袴の上からでも、その自己主張ははっきり目で捉えられた。

 

かごめの片足から、するりと慣れた様にショーツを下げる。

 

「あ!いやぁ!」

 

ひやっと夜風が濡れた秘所に当たり、更に淫靡な声を上げさせた。

 

犬夜叉は、自分の袴の前紐に手を掛けると、

地面に袴が落ちぬ程度に下げ、自身をかごめの花弁へと宛がった。

 

「いくぞ!かごめ!」

 

そう言い放つと、かごめの返事を待たずして、

勢いよく、かごめの中心へと差し込んだ。

 

「ああ!・・・あ!」

 

激しく突き上げを繰り返す動きにかごめの背が木の幹に擦られ、

前を肌蹴られた身を纏う衣服が肩まで下がり、

白い肌が犬夜叉の目の前に晒された。

 

かごめの背に擦り傷ができそうだと気がついた犬夜叉は、

突き上げているかごめの体ごと、くるりと身を翻すと、

今度は自分の背を幹に凭れ掛けさせた。

 

「え?あ!・・・ああ!ああ!」

 

木の幹に腰下ろし、かごめの腰を強く掴み、

体ごと激しく上下させる。

 

「・・・痛く・・・ねぇか・・・!」

 

「あん!・・あん!ああ!あ!」

 

いつになく激しく突き上げる勢いに意識が飛びそうになるのを必死に堪え、

かごめは、首に回した腕に固く力をいれる。

 

目の前に揺れ動く乳房の先端に強く吸い付き、舌で何度も転がし、舐める。

 

「あ、・・・やぁ、・・・・あ!あ!」

 

淫猥な水音と激しくうち付ける肌と肌のぶつかる音が闇夜に響く。

 

「あ!・・・いい!・・・かごめ!」

 

「あ!・・・や!やぁ!はぁぁぁ!」

 

「もういきそうだ!・・・このまま・・・いく・・・、ぞ!」

 

「もう・・・、だめ・・・、ああ!」

 

一瞬、かごめの下半身に力が入り、犬夜叉の自身をくわえた部分に

圧迫感が走ったかと思ったとき。

 

かごめの手が緩み、体ごと後ろへと反り返りそうになった。

 

犬夜叉は慌てて、その背に手を添えると、

自分もこれで最後だというように、さらに激しく腰を動かし、

突き上げ続けた。

 

「はぁ!・・・はぁ!・・・っく!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

力なくしたかごめの体をぎゅっと抱きしめ、

曝け出された胸へと顔を埋め、ふうっと目を伏せる。

 

「・・・・よかった・・・。」

 

「・・・・。」

 

かごめの返事はない。

 

犬夜叉は果てた自身をかごめの花弁から引抜くと、

そっとその体を抱きしめた。

 

 

「・・・大丈夫・・・か?」

 

「う・・・、うん・・・。」

 

 

絹の肌の感触を味わうように、そっと唇を這わせ、もう一度先端へと舌を運ぶ。

 

「あ!・・・やだ・・・!」

 

僅かな動きにも反応してしまうかごめの体。

 

「なんだよ・・・?」

 

「だめよ・・・。まだ、・・・敏感なんだから・・・、ああ!」

 

 

犬夜叉は、自分の膝の上で開き跨がせた中心に再び指でなぞった。

 

つい今しがた放出した自分の液とかごめの蜜が指に絡むように、とろりと滴り落ちる。

 

「したかった・・・。」

 

「ぁ・・・、あ・・・!」

 

指の動きは止まない。

 

花弁の中は、まだ余韻から冷めぬのか、その辺りが何度となく引き攣る。

その感覚を直に感じる指は、更に内膜を擦り上げ、弄る。

 

「や!だめ!・・・いやぁ!」

 

「もう一度、・・・するか?」

 

身を捩り、その腕から逃れようと身悶える姿が再び犬夜叉の男の欲望に火をつけた。

 

気がつけば、それは再び自己主張をし始め、かごめの体の中心の真下で待ち構えている。

 

「な?・・・挿れるぞ?」

 

指で何度も弄りながら、かごめの応えを待つ。

 

「やだ!・・・いや!・・・あ!」

 

「違うだろ?・・・ここは、そう言ってないぞ?」

 

一度目で満たした欲望は、かごめを支配する征服欲へと姿を変え、

焦らすように、自身を花弁の核へと宛がい、入り口をなぞり始めた。

 

「・・・どうする?やめていいのか?」

 

「あ・・・!いや・・・!」

 

口から毀れてくるのは、文句ばかりではなかった。

甘く熱くなった息と喘ぎ。

 

「やめる・・・のか?」

 

犬夜叉の言葉一つ一つが、かごめの理性を飛ばそうとする。

 

「ああ!・・・そんなにしたら・・・!」

 

花弁の中心、核を摘む手の動きに頭の中が白くなっていく。

 

「言えよ・・・。欲しいって・・・、お前の口で・・・。・・・ほら。」

 

わなわなと震える乳房の蕾を舌で掬うように舐めた瞬間。

かごめの体は、びくっと振るったかと思うと、その感情は堰を切ったように溢れていた。

 

「・・・もう、・・・だめ!」

 

「・・・かごめ・・・。」

 

掠れた声が耳元で囁く。

その響きにのたうつかのように体をくねらすかごめの白い肌に再び熱が篭ってきた。

 

「・・・いいか?」

 

やがて、その言葉を最後にかごめの体の血が沸点を迎えたように、

見も心も弾け飛んだ。

 

「・・・きて!・・・もう一度きて!」

 

かごめの口から出た懇願の言葉に犬夜叉は満足そうに目を細めると、

ぐっと腰を上げ、その中心へと自身を差込み、再び大きく腰を揺らし始めた。

 

「あああ!・・・はぁ・・・!」

 

重力で自分の体重が直接響くのか、その突き上げにかごめは夜の森だということを

忘れ消し飛んだかのように高らかに声を上げ始めた。

 

 

「・・・いいか?・・・かごめ!」

 

「いい!・・・あ!・・・あ!」

 

 

激しい打ち付けに、理性は全て失われていた。

犬夜叉の頭を強く抱え込み、悦に涙が毀れていた。

 

「ああ!・・・ああ!」

 

「う・・・!はぁ・・・・!」

 

二度目の精が放たれたとき、かごめはもう気を失っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かごめの力尽きた体を木の幹に立て、放たれた液が伝う中心を

スカートのポケットから取り出したハンカチでそっと拭う。

 

 

触れた瞬間、その体が反応し、かごめが薄っすらと目を開いた。

 

「気がついたか・・・?」

 

「うん・・・。」

 

片足にぶら下がっていたショーツを上まで上げ、元に戻す。

 

肌蹴た制服の前を合わしたとき、かごめはようやく目を開き、完全に意識を取り戻した。

 

「大丈夫か・・・?」

 

「うん。」

 

だが、立ち上がろうにもそれは適わなかった。

あまりにも激しい突き上げに腰が麻痺したように痺れ、力が入らない。

 

「また、立てねぇか?」

 

「だって、犬夜叉、すごく激しいんだもん・・・。」

 

顔を赤らめる気力さえないのか、普段には口にしないことまでさらりと言ってしまう。

 

「しょうがねぇじゃねぇか。・・・したかったんだし・・・。」

 

「もっと早く言ってよ・・・。寝てるとこ連れ出すことないじゃない?」

 

「言う暇なんかあったかよ?この間だって、お前が噛んでそれっきりだぞ?」

 

「・・・・!」

 

 

思わず、先日の出来事を思い出した。

 

 

(そうだ!あの時、思わず噛んじゃって・・・!)

 

 

「やだ!そんなこと言わないでよ!恥ずかしいじゃない!」

 

 

そういいながら、犬夜叉の肩を叩こうと身を乗り出した瞬間、

ぐらりと体が傾き、幹から落ちそうになった。

 

激しい行為の中で、かごめの体には既にバランスを取る余力など尽きていたのだ。

 

傾きかけた体を受け止める犬夜叉は、そのまま、かごめの体を抱きしめた。

 

 

「悪かったよ、無理やり起こして・・・。」

 

「・・・そうよ。いつも突然なんだから・・・。」

 

「じゃ、今度から前もっていうから、・・・それでいいのか?」

 

 

(・・・それも恥ずかしい・・・かも)

 

 

犬夜叉の提案に今頃になって恥ずかしさがこみ上げる。

 

だが、そうそう寝ているところを連れて来られても、ムードどころか、

こっちの身が持たない。

 

 

「うん。・・・いいよ。」

 

「そうか?いいのか?」

 

「そしたら、あたしも体を綺麗にしておけるし・・・。」

 

「は?何だよ?」

 

 

犬夜叉は、その言葉に思わずかごめの顔を覗きこんだ。

 

 

「何だよ、綺麗にって・・・。」

 

「お風呂とか・・・、水浴びとか・・・。」

 

「おめぇの体は、いっつも綺麗じゃねぇか?」

 

 

かごめは目を見開き、犬夜叉を見つめた。

少年のように真っ直ぐに捉えたその瞳は真剣そのもの。

 

かごめの体を綺麗といってくれる言葉に嘘はない。

 

 

(これだから、あたしも適わないのよね・・・)

 

 

かごめは、ふっと笑うと、今度は自分から犬夜叉へと口付けた。

 

 

「なんだよ?もう一回か?」

 

「違うわよ!」

 

「誘ってんのかと思った。」

 

「そしたら、あたし死んじゃうわ。」

 

 

そういうと、二人はもう一度口付けた。

 

お互い見つめ合い、くすっと微笑む。

 

 

「じゃ、帰るか?」

 

「うん。」

 

 

犬夜叉は、かごめの体を背負うことをせず、優しく抱き上げた。

 

 

「寒くねぇか?」

 

「ううん、あったかいよ。・・・でも・・・。」

 

「なんだよ?」

 

「明日、歩けなかったら、どうしよう?」

 

「・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

再び、元来た道を二人、微笑みながら戻り始めた。

 

夜に溶け、愛欲を尽くした二人、再び夜の闇夜にと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

End