First rain     2               2006930

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

犬夜叉は、かごめが休んでいるはずの祠の扉に手を掛けると静かに開いた。

 

「珊瑚ちゃん?・・・弥勒様?」

 

振り返ることもなく、茣蓙の上で横になったままのかごめ。

 

「誰?」

 

応えのない様子にようやく体を起こし、扉に目を向けた。

 

「犬夜叉・・・。」

 

はっとする瞳。

だが、見開いた目に覇気はない。

 

 

 

犬夜叉は、黙って中まで入ると、かご目の前で腰を下ろした。

 

 

 

 

 

目の前に座る犬夜叉から目を逸らすかごめ。

 

犬夜叉にも、それがどうしてなのかはよくわかってはいた。

 

桔梗を抱き上げ、祠から出るとき、一度も顔を合わせることもなかった自分。

戻るとも戻らぬともいわず、ただ桔梗を連れて行くことばかりで、

必死に救ってくれたかごめの気持ちひとつ汲むこともなく、飛び出したあの時。

 

責を負うには充分の理由。

 

 

 

 

 

「戻ってきたんだ・・・。」

 

「ああ、・・・すまなかった。」

 

「桔梗の具合はどう?」

 

「もう大丈夫だ。」

 

「・・・そう。」

 

 

かごめは、体を建て直し、座りなおした。

 

 

「・・・これから、どうするの?」

 

「どうするって・・・?」

 

「桔梗と一緒に行くの?」

 

「どうして、そんなことを聞く?」

 

「・・・・・」

 

 

 

かごめは頷いたまま、犬夜叉の顔を見ようともしなかった。

いや、見ることができなかった。

 

 

(もし、ここで桔梗と一緒に行くっていわれたら・・・)

 

 

過ぎる不安。

 

 

(泣き出しそう・・・)

 

 

 

 

 

だが、かごめは堪えた。

 

どんな答えであっても、それでも犬夜叉自身が選ぶなら・・・。

 

彼が望むのなら、それは仕方のないこと。

 

 

自分に二人の間に入り込む余地はないことを思い知らされた。

 

 

 

 

五十年の歳月。

悲運の末路。

 

 

 

今、そこに自分がのこのこ出たところで二人の絆の固さにむしろ思い知らされるだけ。

 

 

 

今の自分であれば、失恋で済む。

現代に戻り、泣くだけ泣いたら・・・

 

きっと自分は大丈夫。

 

 

 

 

 

 

だが、犬夜叉と桔梗は?

 

この二人はどうだろう。

 

命され省みない、深い愛情に自分の何が勝るというのか。

 

到底、適うはずのない永遠の片思い。

 

 

 

今日がその終止符をうつ日ということを

犬夜叉のいない数日間で覚悟を決めるつもりで過ごしてきた。

 

 

 

今日で終わり。

今、ここで終わりにしよう。

 

 

かごめは開き直ったように犬夜叉に笑顔で告げる。

 

「私、帰るよ。」

 

思わぬ言葉。

 

「あっちに・・・、帰るから・・・。」

 

「な!・・・じゃ、欠片を探すのはどうすんだよ!」

 

「欠片なら、桔梗にも見えるじゃない・・・。私じゃなくても桔梗がいるじゃない!」

 

「・・・・・。」

 

「でもね、私にはあんたしか見えないんだよ・・・。」

 

「かごめ・・・。」

 

「でも、このまま私がいたんじゃだめなら、いないほうがいいじゃない!」

 

かごめはそういうと立ち上がり、扉のほうへと向かった。

 

「行くな!かごめ!」

 

飛び出そうとするかごめの腕を掴む犬夜叉。

かごめの腕を引き、背中越しに腕ごと抱きしめていく。

 

「帰るなんていうな・・・。」

 

「あんたには桔梗がいるじゃない・・・」

 

「・・・・・」

 

「どうして、止めるの?」

 

「・・・・・」

 

「離して!」

 

「離さねぇ」

 

かごめが必死に身を捩るも犬夜叉は、抱きかかえた体をなおのこと強く抱きしめた。

 

「いや!桔梗を抱いた手で触らないで!」

 

大粒の涙が暴れるかごめの顔から弾き飛び、床を濡らしていく。

 

犬夜叉はかごめの手を掴み上げると壁に押し付けた。

 

「かごめ!」

 

犬夜叉は壁に貼り付けるように押さえ込んだかごめの体に自分の体を重ねると、

そのまま、勢いをつけ、強引に唇を塞いだ。

 

「・・・ん!」

 

力を入れ、必死に抵抗していた腕を壁に押さえ込む。

 

やがて、かごめの腕から抵抗するのをあきらめたのか、

すーっと下のほうに下ろすかのように力抜けていくのがわかると、

ようやく犬夜叉も顔を離し、かごめを見つめた。

 

だが、それも束の間。

再び、かごめは抵抗を試みる。

 

「離し・・・、んん!」

 

犬夜叉には力では決して適わない。

適わないのは百も承知ではあった。

 

犬夜叉は嫌がるかごめを唇を塞いだまま床へと押し倒した。

 

「嫌だってば!」

 

「なら、逃げるな!」

 

「・・・・・」

 

その一言にかごめは止まった。

 

 

 

逃げるな?

 

何から逃げるなっていうの?

 

あんたが選んだのは桔梗じゃない!

 

どうして、私に逃げるなといえるの?

 

 

 

「頼むから・・・」

 

抑えた腕を離さない犬夜叉。

だが、その行動と裏腹に、今にも泣きそうな顔はどうして?

 

「頼むから・・・、かごめ。」

 

「どうして・・・、そんなこというの?」

 

「・・・俺から離れるな・・・。」

 

「・・・自分も桔梗も同じ思いをしてるっていったことあったよね・・・。」

 

「・・・・」

 

「あんたに会いたいって気持ちは桔梗も同じだって・・・。」

 

「かごめ・・・」

 

「でも、ぜんぜん違う・・・。桔梗とあたしは同じじゃない!」

 

「かごめ・・・!」

 

「一緒に・・・、いれないよ・・・。」

 

 

 

 

その言葉に犬夜叉は黙って上半身を起こし、

床に押さえつけ、横たわるかごめの顔を見つめた。

 

 

掴んだ腕を離しても、その腕はさっきまでの抵抗が嘘のようにただそこにあるだけ。

 

 

「かごめ・・・。」

 

 

 

 

かごめは静かに体を起こすと、犬夜叉の体をのけ、扉へと向かった。

 

 

 

 

 

半開きの扉をゆっくりと開ける。

 

夜の闇の中。

気がつけば、雨が降り出し始めていた。

 

 

 

ザー・・・

 

徐々に、雨脚は強まっていく。

 

 

 

扉に寄りかかり、黙ってかごめは外を見つめた。

 

 

 

 

ここを出れば、もう本当に終わりなんだ・・・

 

 

 

 

かごめは、雨でも構わない・・・と祠を後にすべく足を延ばした。

 

 

 

 

それまで、黙って去っていこうとするかごめを目で追っていた犬夜叉は

 

「かごめ!」

 

ともう一度その名を叫び、部屋に引き込み、扉を閉めた。

 

 

 

「・・・犬夜叉・・・。」

 

 

 

 

 

扉を塞ぐように背もたれながら、項垂れ、床に目を落とす犬夜叉。

 

 

 

 

「犬夜叉?」

 

「・・・行くな。」

 

「犬夜叉・・・。」

 

「どこにも・・・、行くな!」

 

 

 

 

 

犬夜叉はかごめの体を強く抱きしめた。

 

「お前が俺の居場所だ・・・!」

 

「・・・犬夜叉・・・」

 

「お前だけが俺に居場所をくれた・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

床に沈みこむ二人。

 

「これからのこととか、約束はできねぇ。・・・でもお前だけが・・・」

 

「・・・犬夜叉・・・」

 

「俺の場所なんだ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、ね。そうだったよね。

 

桔梗と出会った頃は、ただ妖怪になりたいだけの流浪の人生だったのよね。

 

 

 

桔梗と会って、人を想い慕う心を知ったのよね。

 

愛されることを知ったのよね。

 

 

 

 

 

蔑まれ、誰からも必要とさえされず、一人で生きてきたあんたが

初めて、人を想うようになったのよね。

 

 

 

でも、私は・・・?

 

あんたの居場所?

 

 

 

 

 

私の居場所があんたの居場所なの?

 

あんたの居場所は私の居場所なの?

 

 

 

 

 

「犬夜叉・・・。・・・一緒にいても、・・・いいの?」

 

「おめえ以外、誰がいる?」

 

「犬夜叉・・・。」

 

「お前だけだ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつけば、掴んでいた腕は、そのままお互い手を握り締めていた。

 

床になだれ込み、かごめを下に幾度もの口付けを交わす。

 

 

 

「かごめ・・・。」

 

「・・・。」

 

「俺から逃げるな・・・。」

 

「・・・犬夜叉・・・。」

 

 

 

 

犬夜叉は顔を起こし、真下のかごめを見つめた。

 

 

 

初めて見る・・・

犬夜叉のこんな顔・・・

 

 

 

犬夜叉は、右手の平をそっとかごめの頬に添える。

 

ゆっくりと耳の後ろまで指を入れては、また顎までなぞる様にと繰り返す。

 

 

 

もう一度唇を落とす。

 

かごめの口に異物感を感じる。

 

鋭い牙と舌が吸い付いてくる。

 

「・・・ん、・・・んん・・・。」

 

 

 

 

どこで息をつけばいいのか。

 

 

 

 

いつしか、犬夜叉は、かごめの体の上に覆い被さり、

かごめの頭を両手で抱きしめていた。

 

 

 

 

床の上で、かごめの漆黒の髪が散らすように広がっていく。

 

痛まないように、首の後ろに腕を回し、何度も何度も口付ける。

 

 

 

 

 

 

やがて、かごめは犬夜叉の腕で上半身を起こされた。

 

「かごめ・・・。」

 

かごめは黙って犬夜叉の胸に顔を埋めた。

 

犬夜叉の鼓動が響いてくる。

 

 

ドクン、ドクンと耳に伝わる音に耳を澄ますように静かに体を預ける。

 

 

 

 

 

犬夜叉は、黙って緋の上着を脱ぐと床に広げ、

そのまま、かごめの体をもう一度横たえた。

 

「いいか・・・?」

 

「・・・こわいよ。」

 

「・・・こわくねぇ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

扉の向こうでは、強まってきた雨が鄙びた祠の屋根を叩くように降り注ぐ。

 

 

雨の音以外、祠の中は静まり返っていたものの、

時折、衣擦れの音が唯一静寂を破る。

 

 

 

 

 

再び、かごめの体に覆い被さる。

 

何度かの口付けを繰り返し、首筋を這い、鎖骨の上を通過していく。

 

 

赤いスカーフを引き抜く。

 

体を浮かさせ、慣れない制服の上着を捲り上げる。

白い肢体が緋色の床にそっと乗せられた。

 

かごめは、恥じらいを隠せず、

自分を抱きしめるようにぎゅっと腕を回し、瞳を固く閉じていた。

 

 

 

 

犬夜叉は、箱を開けるように胸元を隠す腕を片方ずつ取り払う。

 

いつもぴったりと身につけている小さな白い布が露に目に飛び込んできた。

 

「かごめ・・・。」

 

 

 

恐る恐る瞼を上げる。

薄目にも、はっきりと目の前にある犬夜叉の顔が自分の体を見つめているのがわかった。

 

 

「・・・あんまり、・・・見ないで・・・」

 

「なんで?」

 

「恥ずかしい・・・じゃない・・・」

 

「こんなにきれいだろ・・・」

 

 

 

 

そういうと、かごめの胸の上に口付けた。

 

一瞬、ぴくっと反応したが、犬夜叉はそのまま、

緋に広げられた白く浮き立つ肢体、手から腕、腕から肩、

そして、胸へと手を這わせていく。

 

その動きにどう応えたらいいかもわからず、ただ犬夜叉の手に

時には、ビクッと、時には反り返るように体をくねらす。

 

 

 

 

犬夜叉は、肩に掛かっている白い紐を下げた。

 

腕を抜き、やがて、細くくびれた腰までくると、

緩んでホックが外れたのか、かごめの体から離れた。

 

爪で傷つけないように、そっと膨らんだ胸に、

それこそ、壊れ物に触れるように手をあてる。

 

手の平の中に中心の小さな突起を感じつつも、

ただ手をあて、その感触を味わう。

 

「柔らかい・・・」

 

「口に出さないで・・・!」

 

やがて、掌に力が入り、揉みしだく。

 

「あ・・・。」

 

 

 

 

 

初めて出たかごめの喘ぎ。

 

今の今まで、どうして、このとき、

そんな声が出るのか不思議で仕方なかった声が今、

自分の口から漏れている。

 

「あ・・・、あ!」

 

犬夜叉が柔らかく、弾力のある乳房を揉む度に声が出てくる。

 

その声が聞こえるたびに犬夜叉は

その表情を確かめるようにかごめの顔を見つめた。

 

その喘ぎ声がかごめ自身、自分を受け入れ始めたことと

思った瞬間、犬夜叉は襦袢を荒々しく脱ぎ去った。

 

 

 

幾度かの戦いの度に看護し、見慣れたはずの裸体も

今や、男の肉体。

 

鋼のように固く、筋肉の盛り上がった胸板は、

水干の衣からは想像もつかないほど鍛え上げられた彫刻のように美しい。

 

犬夜叉は自分の胸をかごめの胸の上へと重ね合わせるようにと、

そっと体を乗せた。

 

初めて、直に触れる上半身。

 

かごめの柔らかい乳房が犬夜叉の鍛え上げられた固い胸板と合わさる。

 

「あ・・・」

 

そのまま、少し上半身を浮かせると、

さっきまでの、どこか遠慮がちだった手つきが激しく動き出した。

 

「あ・・・、ああ!」

 

 

 

堰を切ったように激しい愛撫へと動きを変えていく犬夜叉。

 

 

初めて、口に含む固い蕾を慣れない舌で幾度も転がし、吸い付いた。

 

「あ、ああ!・・・痛!」

 

「悪い・・・」

 

食いつくたびに当たる牙。

だが、止むこともなく貪りつく。

 

 

 

 

 

 

お互い、慣れない行為に戸惑いながらも

止め処ない快楽の中に浸り、激しく求め合い始めた。

 

 

 

 

かごめの腰に残された着物は全て取り払われ、

犬夜叉もまた、全てを脱ぎ捨てた。

 

 

 

犬夜叉はかごめの腹から、やがて、その下のほうへと唇を滑らせていく。

 

「や!・・・だめよ!」

 

「・・・・」

 

その言葉はなんの意味も持たない。

犬夜叉は黙って、かごめの茂みの中へと指を入れていく。

 

割れ目に沿い、中へと忍び入れ、花弁へと触れた。

 

「・・・あ、あん・・、あぁ!」

 

中の芯を指の腹でかき回す。

芯が固くなっていく様を指で確かめる。

 

やがて、その奥へと、すっと差し込む。

 

指先に感じる濡れた秘所に指を沈みいれる。

 

「あああ!・・・いあぁ!」

 

 

 

 

 

犬夜叉は再び、かごめの顔に目を向けたが、

視線を下に戻すと、両足を広げるように手で持ち上げ、

その間に顔を埋めた。

 

「あ・・・!いやぁ!やめ・・・」

 

舌が筋に沿い、動き、吸い、入れる。

 

その繰り返し。

 

 

 

溢れる潤いと匂い。

 

「やめて・・・!」

 

犬夜叉の頭に手を当て、うっすらと涙を浮かべ、

その行為を否定するように懇願するが、

舌の動きはますます激しくなっていく。

 

その動きに合わせ、喘ぎ声が徐々に高まっていく。

 

 

「ああ!・・・はあああ!」

 

そのまま、舌の動きを止めず、もう一度指をいれ、かき回す。

 

 

「あぁぁぁ!あ、・・・はぁ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

どれくらいの時間をかけたかどうか。

 

緋に広がる白い体の隅々まで手を伸ばし、

舌を這わせ、なぞり続ける。

 

「ぁああ・・・。」

 

その度に愛しくて止まない女を

衝動的に攻め続けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう充分か?

 

満ちたか?

 

 

犬夜叉は、すべるようにかごめの顔まで体を戻し、

秘所から溢れ出濡れた口元をくっと拳で拭うと、

もう一度、唇を合わせた。

 

 

 

そのとき、かごめの太もも辺りに触れる固いものに気がついた。

 

・・・もしかして、これって・・・!

 

 

初めての経験で知った男の自身がかごめの太ももに、

その存在を示しているのが感じられた。

 

何をどうしたら、いいのか。

何もわからないまま、全てを犬夜叉のなすがままになっている今。

 

その存在がこれから起こることに不安と恐怖が入り混じる。

 

犬夜叉は、ゆっくりと上半身を起こし、

自身を掴むとかごめの膝と膝の間に両足を入れ、

膝を立てた。

 

 

かごめの上で上半身を起こした犬夜叉を見上げるかごめ。

 

 

 

犬夜叉とめごめの目が合った。

 

 

 

 

「挿れるぞ・・・?」

 

「え・・・、・・・うん。」

 

 

 

 

 

 

掴んだ自身をかごめの秘所にあて、腰を落とす。

 

引きつる感覚にかごめは、つい腰を引いた。

が、犬夜叉は開いた手でかごめの肩を固定するように掴んだ。

 

 

もう一度、腰を落とす。

 

「い、痛い・・・。」

 

潤いが足りないのか、それとも慣れがないせいか。

 

開きかけた花弁に押し入ってくる熱くなった自身が入ろうにも

未だ抵抗した。

 

「もう少し、待つか?」

 

「ううん、・・・続けて・・・。」

 

 

かごめにとって精一杯の努力。

 

初めてだから、痛いことは知っている。

多分、時間をかけても、

その痛みは通らねばならない道。

 

かごめは、真上にある金の瞳を見つめることさえ恐怖と感じつつも、

唇を噛み締め、これから襲ってくるであろう痛みに

覚悟を決めた。

 

だが、それでも・・・怖い!

 

思わず顔を横に逸らし、自分の体に入ろうとする犬夜叉を待った。

 

 

犬夜叉は、もう一度腰を落とし、自身をその入り口へと押し込んだ。

 

だが、まだ?

 

 

「犬夜叉・・・」

 

「なんだ?」

 

「多分、もう少し、・・・下のほうだと思う・・・。」

 

顔を逸らし、顔を強張らせつつ、必死に告げる。

 

「悪い・・・。」

 

「・・・」

 

眉間に皺を寄せ、待ち構えるかごめ。

 

だが、一向に来る気配はない。

 

やがて、犬夜叉はかごめの手を自身まで導いた。

 

「な・・・!」

 

 

 

初めて触れた犬夜叉の自身。

 

熱くなった固い芯を感じる太いそれは、

かごめには存在しない、男の性の象徴。

 

「・・・どこだ?」

 

かごめの手を自身に当て、その上から犬夜叉も手を添え、

場所へと導かせた。

 

「・・・多分、ここ・・・」

 

もう一度、犬夜叉はゆっくりと腰を落とした。

 

 

 

未だ穢れを知らない聖地。

 

そこに犬夜叉自身がゆっくりと沈み込んでいく。

 

「あ!・・・っく・・・」

 

 

肉の裂け目を割って入ってくる自身。

 

果たして濡れなどあったろうか?

いや、これが初めての痛みなのか。

 

だが、犬夜叉はそのまま腰を落とし、深いところまで押し込んだ。

 

「・・・あ!ああああ!」

 

「かごめ!・・・痛いか?」

 

「・・・・!」

 

「あったけぇ・・・。お前の中はあったけぇ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま、犬夜叉はかごめの体を包むように抱きしめると、

繋がった部分を動かし始めた。

 

「ああああ!い、痛!」

 

「かごめ・・・!」

 

涙が溢れ出、頬を流れ始めた。

 

その涙に気付くも、もはや止められない自分自身。

 

「・・・あ、・・・あ、・・・あ!」

 

「あ!・・・いや!・・・!」

 

腰の動きに合わせるように犬夜叉も声を出し始めた。

抱きしめたかごめの顔が歪み、苦痛に耐えるのがわかっていても、

もう、それは止められない。

 

やがて、腰の動きが早まり、

それと同時に激しくかごめの体を貫き、打ち付ける。

 

「・・・あ、・・・あ、かごめ!・・・かごめ!」

 

「・・・犬夜叉!ああぁ!」

 

 

 

 

 

衣の下の粗末な床板が犬夜叉の動きと共に軋む。

 

痛みに引きつるかごめの顔に唇を落とす。

 

 

 

自分の動きに合わせ、豊満な乳房が大きく揺れる。

 

 

片方に手を掛け、もう片方に吸い付く。

 

「・・・あ!・・・あぁ!」

 

 

 

 

 

「・・・あっ!、・・・あっ!、っく、・・・痛・・・」

 

固く筋肉を強張らせ、床から支える腕に爪を立て、必死にしがみ付く。

 

 

 

 

 

 

痛みの中、激しく揺さぶるは、雄の本性。

 

下腹部を貫く鈍い痛みは、初めての雌に与えられた試練。

 

 

 

 

 

 

 

 

激しく打ち付ける腰がやがて、頂点へと達すると、

 

「い、いきそうだ・・・!」

 

と殊更、激しく突き上げる。

 

「・・・あっ・・・あっあぁっ!」

 

「かごめ!・・・っく・・・。」

 

 

 

 

 

やがて、腰の動きもゆっくりと静まり、かごめの体の上へと覆い被さった。

 

かごめの上で体を上下し、大きく肩で息をする犬夜叉。

 

かごめは、ただ激しい嵐が過ぎたことに、

今まで体を強張らせたいた緊張を解き、ぱたりと腕を緋の衣の上に落とす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・かごめ・・・」

 

「犬夜叉・・・」

 

かごめは、脈打つ痛みを堪えつつも、

果てた犬夜叉の頭を抱き、天井を見上げた。

 

涙が溢れ止まらないのは、

初めての痛みだけではないことは自分が一番知っている。

 

「・・・・痛むか?」

 

犬夜叉は、顔を起こし、かごめの頬に伝う涙を舐め掬う。

 

繋がった部分から、かごめの血の匂いが今頃になって鼻につく。

 

「大丈夫か?」

 

「うん。・・・多分。」

 

 

果てた自身をゆっくりと引き抜くと、

太ももに掠り、その内側に薄く血の跡がついた。

 

「・・・すまなかった・・・。」

 

「・・・大丈夫よ。」

 

「無茶させた・・・か?」

 

「初めてだったし・・・。」

 

かごめは、止め処なく流れる涙を流しながらも、

犬夜叉を見つめ、微笑んだ。

 

その笑顔に安堵の笑みを浮かべ、もう一度かごめを抱きしめる。

 

 

 

 

 

 

 

「俺も初めてだ・・・・。」

 

「犬夜叉・・・。」

 

「お前はあったけぇ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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