more so ・・・     2       2006105

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ暗な部屋の中での秘め事。

 

夏特有の明るい夜空の明かりが窓から差し込み、

ベッドで戯れる二人の影をうっすらと床に落とす。

 

 

 

 

 

 

 

 

堰を切ったように、夢中でかごめの唇を貪り続ける犬夜叉と

まだ、その行為自体に慣れのないかごめとの密室での夜伽。

 

 

ゆっくりとかごめの体をベッドに押し倒し、

パジャマの上からでもはっきりとわかるかごめの肢体を繁々と見つめる。

 

 

 

 

 

 

「そんなに見つめないで・・・・。」

 

「・・・・・。」

 

「恥ずかしい・・・よ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・この着物、脱がし方がわかんねぇ。」

 

「・・・・・。」

 

 

 

(なんか、緊張感がないような・・・)

 

 

 

 

 

 

仕方なく一つ目のボタンを目の前で外してみる。

 

食い入るように真剣に見つめる犬夜叉の顔が視界に入り込む。

 

(そんなに真剣に見なくても・・・)

 

 

 

二つ目のボタンに手をかけたとき、

今まで肘をついていた腕で、ボタンに添えていたかごめの手を払いのけた。

 

 

「俺がやる。」

 

「え?」

 

 

長い爪と指先を器用というべきか不器用というべきか。

 

いずれにしても必死になってボタンを小さな穴に通そうと

むきになって格闘している。

 

 

 

 

「あ、外れた。」

 

「よかったじゃない、できるようになって。」

 

「こないだは、お前に着物着せてやれなかったし・・・。」

 

「こないだ?、・・・着物?」

 

「あの白いちっこい布っきれ。」

 

 

 

((///それって、下着のこと?!))

 

 

「そ、そんなことまで考えなくても・・・。」

 

(なんか、自分からさせてるような感じ・・・。恥ずかしいよ・・・)

 

そう思った瞬間、自分の胸元でかごめの纏の鍵をこじ開けるかのように

慣れない手つきではずす犬夜叉にもう一度目をやった。

 

 

それでも真剣な眼差しは変わらず、一つ一つボタンをはずしていく様を

ただ見守るばかりのかごめの脳裏でふと過ぎる思慕の感情。

 

 

 

 

 

そういうところって、すんごく犬夜叉らしいというか、

やさしいのよね・・・

 

 

どんなに強引にされても、ムードの破片も感じなくても

でも、あんたのその優しさには適わない・・・・

 

 

 

 

 

 

最後のひとつがはずされる、そのときまで

かごめは黙って、ボタンを外す犬夜叉を見つめていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

やがて、その扉は開かれる。

 

やはり、自分の生の姿を彼の目に晒されることに抵抗を感じないわけではない。

だが、あの直向なやさしさ。

 

その想いの前には、自分の小さな恥じらいなど、

取るに足らない感情だと思い知らされる。

 

 

 

不器用だが、清らかで澄んだ想い・・・

本当に妖怪・・・『物の怪』の血がどこにあるのか・・・

 

 

 

 

 

 

 

「犬夜叉・・・。」

 

 

そっと拭うように、かごめの前身ごろを開き、

顔を埋めいく犬夜叉の名を口ずさむ。

 

 

「今度は何だよ・・・。」

 

「・・・・・」

 

「もう聞かねぇぞ。」

 

「ううん、そうじゃなくて・・・。」

 

「じゃ、なんだよ?」

 

「・・・・なんでもない。」

 

 

犬夜叉はかごめの顔を見つめ、

少し、怪訝そうな表情を見せた。

 

だが、かごめの顔はどこか満足そうに笑みを浮かべている。

その表情にしばし見とれ、再び唇を落とし、

ぎゅっとかごめを抱きしめた。

 

 

 

 

 

(もう待ってやらねぇ・・・!)

 

 

感情の赴くままに、ただかごめを抱きたい一心。

 

あの時の悦びは、唯一かごめが与えてくれた『ぬくもり』。

手放しがたく、何度でも味わいたい、

男の欲情を知った自分に阻むことは許さない。

 

――――例え、かごめ、お前が拒んでも俺が許さない!

 

男の征服欲が、更にその感情に拍車をかける。

 

 

 

 

 

 

 

「もう待てねぇぞ。」

 

「・・・うん。」

 

 

それまで加減していた犬夜叉だったが、

かごめの頬に手をあて、

獣が獲物に食らい付くように

激しく吸い出すように貪った。

 

 

 

「んんんっ!・・・・んん!」

 

高まっていく鼓動と、かごめの吐息が交差する。

 

 

 

 

 

 

顔に添えていた手を首筋から下へと移す。

 

やがて、辿りつく膨らみに手を当て、その感触を味わう。

何度触れても、それは飽きることのない心地よさ。

 

その頂を指の腹でそっと拭うと不思議と硬さを増し、

その存在にますます魅了され、指先から伝わる「官能」という媚薬に

脳を刺激されていく。

 

 

「・・・あ・・・」

 

横顔で瞳を伏せ、犬夜叉の動きと共に声をあげるかごめ。

 

初めてのときは、ただ夢中で、

何をどうすればいいのかなど考えもしなかった犬夜叉。

 

 

 

だが、今度は違う。

 

もっとじっくりとかごめ自身を味わいたい!

全てを飲み込みたい

 

お前の全てが欲しい!

 

 

 

激しい感情と冷静な動きが愛撫となってかごめの体の隅々を行き渡らせる。

 

 

 

「・・・あん。・・・ああぅ。」

 

両手で強く乳房を揉みしだく。

 

先の固くなった蕾を摘んでは転がし、吸い付いては舌で這う。

 

 

 

「あぁ・・・。あっ、・・あっ!」

 

「・・・・・・」

 

体を反らしながらも体を委ね、

以前にもまして頬を赤く染めたかごめの顔を窺う。

 

 

犬夜叉は、かごめの体を持ち上げると、

ベッドにうつ伏せにと体制を変えた。

 

(え?)

 

今までの表だけの愛撫から、背中に変えられた愛撫。

 

背筋に沿って這う舌の動き。

 

後ろから、両方の乳房を激しく捕まれ、鷲掴みに揉みしだかれる。

 

「ああ!・・・あん!」

 

犬夜叉は、そのまま身を起こすと、壁へと寄りかかり、

かごめの体を持ち上げた。

 

「え?・・・あっ!」

 

背中越しに感じる犬夜叉の逞しい胸板と耳元で囁く掠れた低い声。

 

 

「・・・どうだ?」

 

「あん!・・・あっあっ!」

 

脇の下から、伸ばされた手がかごめの乳房の先端を

左右同時に摘み、捏ね回す。

 

摘み上げられた痛みが快楽と入れ替わり、

不思議と子宮を唸らせる。

 

 

「あ!・・・だめ!・・・そ、そんなの・・・。」

 

「・・・もっとだ。」

 

と片方の手を鷲掴みのまま残し、

もう片方を花弁へと這わせていく。

 

 

太ももの付け根を中心を避けるように摩り上げ、焦らし上げる。

 

 

 

今までにも何度か犬夜叉の腕の中、

膝の間で抱えられ、時には暖められてきたその場所さえ、

男の欲情という檻となり、かごめの体を味わう形となっていた。

 

両足は大きく広げられ、犬夜叉の足に組まれ、

閉じることさえままならない。

 

 

 

 

やがて、その中心へと向かう犬夜叉の指使い。

 

 

淫猥な音を立て、溢れ出る透明な蜜を摺りこむように

襞に沿い、なぞっていく。

 

「はぁぁあ!・・・ああ!」

 

 

初めての時には感じることのなかった感覚が

かごめの頭の芯を白く貫いた。

 

恥じらいがその感覚を辛うじて留めるも

もはや、その限界が近いことを喘ぐ自分の声で気付かされる。

 

 

「あ!あ!・・・いや、・・・こんな格好・・・。止めて・・・!」

 

「・・・やめねぇ。」

 

更に激しくなぞりゆく指。

 

花弁を晒され、その核までが対象となり、

ただ弄ばれ、それとともに声さえ高まっていく。

 

 

「いや!止めて!おねが・・・、・・・んん!」

 

右手で花芯を摘み、なぞり上げながら、

左手でかごめの顎を取り、自分の口元へと押し付けた。

 

喘ぐ声さえ塞がれ、鼻から呼吸するも、それすら乱れ激しい。

 

「んん、んんん!」

 

 

 

かごめの目尻に涙がうっすらと光に反射した。

だが、止めることなどあり得ない征服欲。

 

 

力なく、自分の愛撫になすがままのかごめの体を解放し、

そのままベッドへと横たえた。

 

 

「あっ・・・!」

 

ベッドへとなだれ込んだかごめの体は全身にうっすらと汗を滲ませ、

白かった肌もぽってりと桜色に染め上げられていた。

 

 

 

「まだだ、かごめ。」

 

「・・・え?」

 

 

膝を持ち上げ、脹脛に手をかけ、上へと持ち上げる。

 

下腹部を通り越し、その下の茂みへと舌がなぞり沿っていく。

 

「あああ!」

 

花弁を広げ、外界へと曝け出される感覚。

 

「い、嫌よ!もうやめて!」

 

止める気配のない動き。

 

「・・・・お願いだから・・・。あああ!」

 

 

 

一本の指が蜜の壷へと滑り込む。

 

花弁の奥に隠れた芯を吸いだしながら、

かごめの内部へ入り込んだ指もまた中を掻き回し、

その度に全身が大きく仰け反っていく。

 

 

 

もう一本差し込まれた。

 

「あああ!」

 

滲んでいた涙がこぼれ始めた。

 

 

その粒を見つけた犬夜叉は、舌で舐め救いながらも、

差し込んだ手の動きを休むことをしない。

 

 

 

 

一度目は、めりめりと挿入される男の肉塊に思わず腰を引いてしまった。

 

その動きに下腹部を突き抜けたあの鈍痛。

 

 

 

今度は大丈夫だろうか。

ただ、前よりも自分の裾がやけに潤い、

外気に晒されるたびに冷ややかにさえ感じる。

 

 

 

「・・・いくぞ。」

 

「・・・・。」

 

声を出す気力もないかごめの膝に手を掛け、

両側に立て、その間に犬夜叉の体が割って入ってくる。

 

 

視界に入った犬夜叉の下半身。

そこには、既に隆々とした赤黒い男の象徴が

今にもはち切れんばかりの状態でかごめの中に入らんと、

先端を少し濡らしながら、待ち構えていた。

 

 

 

「いや!・・・こわい!」

 

「・・・引くな。」

 

腰を引き、身を捩るかごめの腰を掴み、手前へと引き戻される。

 

筋肉質な腕にかごめの爪が食い込みそうなほどに力を入れるが、

全く持って、その行為が何一つ変わるものはなかった。

 

 

 

 

半妖の体だから・・・?

 

違う。

 

男の腕に適うものなど自分には何一つ持ち合わせてはいない・・・

 

 

 

思い知らされる非力な自分。

 

観念したかごめは、ゆっくりと挿入されてくる

犬夜叉の熱くなった自身を体を強張られつつ、待ち構えた。

 

 

 

あの時の痛みが何度も頭の中を過ぎってくる。

 

 

 

(いや!こわい・・・!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆっくりと挿入され始めた肉塊。

 

 

 

「はうぅっ・・・!」

 

「・・・まだ痛む・・・か?」

 

「・・・少し。」

 

「・・・・。」

 

 

 

かごめの体の中へと沈みいってくる犬夜叉自身。

下腹部に再び感じる圧迫感。

 

だが、以前よりは、さほどの痛みも感じなくなっていた。

 

 

 

ほっと胸を撫で下ろすかのように力を緩めるかごめ。

 

だが、まだ奥までぐっと挿入されてくる。

自分の体のどの辺りまで差し込まれているのか。

 

まともに触れたことのない犬夜叉の自身を

圧迫感でしか図ることのできない存在。

 

 

 

「・・・痛むか?」

 

「あんまり・・・。」

 

「よかった・・・。」

 

どこか、ほっとしたような犬夜叉の表情。

うっすらと笑みさえ感じる。

 

 

 

 

「ねぇ。」

 

「・・・なんだ?」

 

ゆっくりと腰を動かし始め、

悦に浸り始めた顔の犬夜叉を見つめつつ、

かごめは尋ねた。

 

「これって、あたしの中に本当に・・・入ってるの?」

 

「・・・ああ。お前の中だ。」

 

 

 

 

腰の動きに合わせ、スプリングも合わせて軋む音が部屋に響く。

 

 

 

 

 

犬夜叉は、徐にかごめの手を取ると、

繋がった部分へと誘【いざな】った。

 

 

「な、何?」

 

「・・・ここだ。」

 

 

自分の茂みと犬夜叉の茂みが重なって擦り合わさっている秘部。

 

 

「きゃっ!」

 

 

更に手を引き、導いていく。

 

 

まるで、自分の手で花弁を開くように押し付け、導かれた先。

 

 

「触ってみろよ。」

 

「・・・・・!」

 

自分の裾から生え出したような固い肉塊の存在を

自分の手で知った ・・・その感触。

 

 

「いや!」

 

「だめだ。・・・そのままだ。」

 

 

手首を捕まれ、引き抜くことを許さない犬夜叉の手は、

そのまま、二人を結合する部分へと宛がったまま、

再び腰を揺らし始めた。

 

 

「や!・・・やめ・・・、あああ!」

 

「・・・わかるか?」

 

「・・・あ!・・・あ!」

 

「・・・入って、・・・いるだろ?」

 

「あん!・・・あん!・・あああ!」

 

「・・・わかる、・・・だろ?」

 

 

かごめの手をそのままに激しく動き始めた。

 

 

 

指先に触れる犬夜叉自身と自分自身。

まるで、溶けたバターのように熱くぬるっとした感触を往来する硬い肉棒。

 

(こんな風に入ってるなんて・・・!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食いしばった口元から鋭い牙の隙間を掻い潜り、悦の息を上げる。

 

「あ!・・・あ!」

 

 

 

痛みは薄らいでいた。

 

だが、頭の中が何やら靄がかかったように

『思考』することさえ覚束なくなっていく。

 

 

 

 

 

いつしか、捕まれ捕らえられていた手首も取り払われ、

上半身を起こし、かごめの腰を掴み、激しく秘部へと突き上げる犬夜叉自身。

 

 

自分の中の女の声が更に歓喜の声を上げ始める。

 

 

 

「あぁ!・・・ああ!・・・い、・・・や!」

 

「まだだ!」

 

 

 

動きを止めず、かごめの唇を塞ぐ。

 

 

 

「・・・んん!・・・ん!」

 

「・・・もう、・・・少し、・・・だから・・・。」

 

「ん!・・・ん・・・!」

 

 

 

朦朧。

 

混濁。

 

 

 

 

入り乱れて駆け巡る感覚。

 

 

喘ぎに閉じる暇も与えてもらえず、

口の中に銀の髪が僅かに入り込んでくる。

 

 

その度に長い爪が取り払う。

 

 

 

「・・・もう少しだ!」

 

「・・・もう、・・・あたし、・・・あぁ!・・・あぁ!」

 

「・・・いいか?・・・お前もいいのか・・・?」

 

「・・・あああぁぁ!」

 

 

一段と強い締め付けが犬夜叉の自身に感じた瞬間。

 

かごめは気を失うかのように犬夜叉の背に立てていた指先をシーツの上に落とす。

 

 

「・・・かごめ!・・・俺も・・・!」

 

「・・・ぅ!、・・・ぅ!」

 

「・・・はぅ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シーツの波に激しく絡み合った二人、繋がったまま。

 

暫く動くこともなく、強く抱きしめ合った・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・痛かったか?」

 

「ううん。大丈夫。」

 

「そうか。・・・よかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

口付けを交わし、その行為の後のどことなく甘い余韻を噛み締める。

 

 

 

 

 

窓の外では、遠く犬の吠える声が響き渡る。

 

締め切った部屋の二人の耳にそれは聞こえたかどうか。

 

 

ただお互いの鼓動を感じるほどに密着したまま、

闇の中で、激しい嵐の後の静けさにまどろんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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